2011年11月27日日曜日

NYボックスとEA


きょう言いたいことは、たったひとつ。



NYボックスはEAでは勝てません。



突然こんなふうにわめく理由は、ついさっきどなたかのブログに 「NYボックスのEA (自動売買システム) を開発したがダメだった」 と書いてあるのを読んだからです。

人さまのおやりになることにトヤカク言うつもりはないのですが、同じFXを志す人が無駄な作業にエネルギーを費やすのを見るのはつらい。

だから言います。 NYボックスはEAでは勝てません。

なぜか?

このブログを読んだことのある方だったら説明不要だと思います。

以下は、ネット検索で 「NYボックス」 「EA」 と入れて初めてここへいらっしゃった方に向けて書きます。


NYボックスはひとことで説明するなら 「ボックスから飛び出したらエントリー」 というトレード。

とても単純な手法という印象を与えがちですので、これならちょこちょこっとプログラム組んで自動売買OK♪ と考える人がいるのは不思議じゃありません。

でも、それほど簡単に勝てるんだったら、EAとかいう以前に世界中のトレーダーがNYボックスで儲けているはずです。

でも実際のNYボックスでは、いろんな 裁量が必要 なので、誰でも簡単に勝てるというものではありません。

(私がNYボックスを学んだロブ・ブッカーの本でも 「超カンタン」 という言葉が表紙に踊っているのでそういう印象を与えがちですが、ああいうのは単なる宣伝文句と受け流したいものです)

さて、NYボックスが簡単でない理由は、エントリーに際していろんな裁量が必要になるからですが、裁量の範囲が広ければ広いほど、EAによるトレードは至難です。

どのくらいの裁量が必要かはトレーダーによって違うと思いますが、私の場合は次のようなルールがあります。


■ ブレークしたローソクのヒゲとボディの長さが同等であればエントリー見送り

私はEAに詳しくないのですが、この程度のルールであればもしかしたらプログラム可能かもしれませんね。

でも、ヒゲとボディの長さが同等ではないが近い状態にあって 「クサい」 ときには、直前のローソクの形を見ながら総合的に判断という裁量が必要です。

これ、けっこう勝敗を左右する部分なんですが、練習を重ねてある程度読めるようになる必要があります。

現在の技術でこれを自動売買化するというのは、私が承知している範囲ではちょっと考えられないんですが ...


こんなルールもあります。

■ 利益ターゲットはエントリーポイントから20pip以上の距離にある日足ピボット、もしくは週足ピボットとする。 ただし日足ピボット圏外にいるときは、ターゲットを20pipとする、もしくは前日ピボットのうち適宜なものをターゲットとする。

これは私のトレードで利益を伸ばすための重要なポイントです (というか、よく言われている 「固定20pip」 ではプラスになるかどうかすら疑問)

文章で見るほどには複雑でなく、チャート上で実践しながら慣れればどうということもありません。

ただし、1日のなかで新しい日足ピボットが出現してきますので、それを見ながらターゲットの変更をすることが多いです。

例えば、エントリー当初は100pipのターゲットだったが、新しいピボットが70pipになったのでそっちへ変更 → 結果的に70pipぎりぎりでヒット、といったこともあります。

こうした裁量トレードがEAでも可能なら、私は今すぐにでも誰かに頼んで作ってもらいたい!


今回あらためてネット上をサーチしてみたら、NYボックスのEAを製作した、トレード開始したというブログ記事がけっこうありました。

でも、 「儲かってるよ」 という続報はひとつも見つかりませんでした。

私がゴチャゴチャぬかすまでもなく、このことがすべてを物語っているのかもしれませんね。



ちょっとだけ話を続けますが、以上のことはEAで 「エントリーできるかどうか」 という部分の話であり、私が言っている面倒くさいルールをプログラムできるのなら、それは素晴らしいです。

でもNYボックスのトレードでは、エントリーするところへたどり着く以前に、

■ 勝てる通貨ペアとそうでないペアがある

■ ある時期は勝てたのに途中から勝てなくなることがある

■ 通貨ペアごとに微妙に違うトレードルールが必要

といった課題を克服する必要があります。

そういう背景があることを知らない状態で 「ブレークしたらエントリー」 というシステムをいくら作ったところで、勝つための準備が整ったことにはならない。

最新鋭のライフル銃を持って戦場へ飛び出し、敵に銃を向けたはいいが、敵は10万人、味方は自分ひとりだったという感じ。

勝つための準備とは、長期間のチャートとにらめっこしながら、勝ったとき負けたときの チャートの顔 をじっくり観察し、そこからいろんな情報を汲みとることから始まります。

情報は、いきなり数字となって現れるわけじゃありません。

答えはそんなに簡単には出ない。

情報の海を方向もわからぬまま泳ぎまわり、もがくうちにふと気付くことがあります。

ピンときた何かを頼りにデータをまとめたり並べ直したりしていると、だんだんルールのようなものが見えてきます。

抽象的な表現になってしまいましたが、つまり私が言いたいのは、

NYボックスでは、EAかどうかという以前にやっておくべきことが山ほどある

ということです。

そこのところをすっ飛ばして、なんでもパソコンに任せておけば勝てるのなら、この世はプログラムができる人から順に大金持ちになっているはず。

このことはNYボックスに限らず、およそトレードと呼ぶものであればFXでも株でもすべて共通だと思います。 ごく一部の例外をのぞいて。


苦労をしてないヤツに儲ける資格はない、なんて言ってるわけじゃありませんよ。

日本人はそういうのが好きですけど、私は楽して儲かるんならそれでいいと思っています。

でも、少なくともNYボックスについては、そして多分FXというものは、楽して儲かるもんじゃないというのが残念ながら真実でしょう。

なので、お前がやってる程度のトレードならOK というEAの技術についてご存知の方がおられたら是非ご教示くださいね。

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