NYボックスを実践するとき、もしもボックスからのブレークアウトをすべてエントリーして勝てるのなら、こんな簡単な方法はありません。
しかし実際には、エントリーしていい場合とそうでない場合があるので、一定のフィルターをかけて見分ける必要があります。
第一のフィルターが 基本ルール。 どの通貨ペアにも適用されます。 ただし、ロブ・ブッカーの解説書などに示されているものとは少し違って、バックテスト結果を踏まえて私がカスタマイズしたものです。
下図をごらんください。 ボックスをブレークした場合、まず基本ルールによって絞り込みを行い、エントリーするかどうかを決めます。
さらに、勝率を上げるために通す2番目のフィルターが マイルール。 バックテストから割り出した 負けやすいチャートパターン のときにはエントリーしない、というものです。 通貨ペアごとに個別のマイルールがあります。
基本ルールは、エントリーの可否だけでなく、利益ターゲットの設定やトレード時間帯などについての決まりです。
下記はなんだかゴチャゴチャしているように見えますが、実際には単純。 何十回かバックテスト (Forex Tester 2 などを使ったトレード・シミュレーション) をしているうちに自然と身につきます。
ロブ・ブッカーは 「バックテストは1000回やって一区切り」 と言っています。
基本ルール
- 長いヒゲ(註1)ではエントリーしない。その後は、ヒゲを越えてクローズしたらエントリー
- 利益ターゲットは20pip以上の距離にある日足ピボットのうち一番近いものに設定 (註2)
- 1回負けたあと、強いローソクでの再ブレーク or 高・安値更新があれば再エントリー
- 2回負けたらおしまい
- リバーサル・トレードはしない (勝率が悪いから。しかしBOX反対側のブレークは通常のルールに従ってエントリー可)
- 次のBOXが始まったら (註3) エントリーしない
- ポジションは次のBOX完成時にクローズ
- 金曜はトレードしない
- ピボットが狭くて利益ターゲットにならない場合、ターゲットを20pipとしてもいいが、前日ピボット (註4) のうち手頃なものを利用してもいい
- 【2011.11.8追加 】 日本時間 03:00~09:00 はエントリーしない (米夏時間期は 02:00~08:00)
註1) 長いヒゲ =上下のヒゲの合計とボディの長さが同じになるあたりを目安にしています。
註2) 日足ピボット についてはこちらをごらんください。
註3) 私が住んでいるアメリカ東海岸の生活時間に合わせているものです。 このルールに従うと 【24時以降はエントリーしない】 【持ち越したポジションは朝7時にクローズ】 というふうになるので、その間は睡眠がとれます。
日本では、日本の生活時間に合わせたトレード時間帯を設定してバックテストする必要があります。
註4) 前日ピボット =とくに月曜日はピボットが狭いことが多いので、GMTの日曜日22:00~24:00の短いピボットを延長して使うなど、工夫できます。
マイルール
2011年11月14日から ユーロドル、ユーロ円 のトレードに切り替えました。 これにともない、マイルールの早見表をまとめ直しました。
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早見表 ユーロドル,ユーロ円 カタカナ版 |
◆表の読み方
チャートで200SMAの向きとフェーズを確かめたら、表の左上から順に見ていきます。
緑色ならエントリー可。緑線囲みなら条件付きでエントリー可。
EUR/USDの買いトレードの判断例:
■ 「200SMA上昇中」で「下降ユマ」なら買ってよし。
■ 「200SMA下降中」で「下降ユマ」のとき、ユマ・フェーズになってからローソクが100本以上ある場合は買ってよし。
■ 「200SMA下降中」で「下降フェニックス」は買ってはいけない。
◆用語の凡例
下降ユマ =62EMAが200SMAを上から下に抜けた状態EUR/USDの買いトレードの判断例:
■ 「200SMA上昇中」で「下降ユマ」なら買ってよし。
■ 「200SMA下降中」で「下降ユマ」のとき、ユマ・フェーズになってからローソクが100本以上ある場合は買ってよし。
■ 「200SMA下降中」で「下降フェニックス」は買ってはいけない。
◆用語の凡例
下降フラッグスタッフ =62EMAが800SMAを上から下に抜けた状態
200SMA下降中 =チャートを目いっぱい拡大したとき、平均線が僅かでも下向きなら「下降」、上向きなら「上昇」とする
マイルールの詳細 (2011年11月改訂)
現在のマイルールは、2011年1~10月を対象としたバックテストをもとに考案しました。
バックテストでは、まず基本ルールに従ってエントリーした結果を集計。 そこでみつかった 「勝てないチャートパターン」 を洗い出し、エントリー禁止にします。
チャートパターンの要素はふたつ。 ロブ・ブッカーが考案したアリゾナルールの各フェーズと、200SMAの向きです。 この組み合わせを見ることによってエントリーの可否を判断します。
マイルールによってどれほどの成績が見込めるでしょうか。
まずは ユーロドル のバックテスト結果です。
基本ルール 99勝99敗 50% 971pip
マイルール 67勝33敗 67% 1,746pip
マイルールは、ほぼ一直線の右肩上がりになっており、獲得Pipも基本ルールの倍近くになっています。
当然ながらこれはバックテストから導き出した 「後出しジャンケン」 による成績ですから、今後も必ずこうなるこということではありません。
ちなみに同じ時期 (といっても正確には2010年11月中旬~2011年11月中旬) にリアルトレードした結果はこちらでご紹介しています。 12ヶ月かけて1,100pipですから見劣りがしますが、2010年に作った旧ルールにもとづいたトレードですので、別ものと解釈してください。
基本ルール 88勝60敗 60.2% 1,813pip
マイルール 72勝36敗 66.6% 1,906pip
なんだかマイルールのメリットがよくわからないグラフです。
実は、マイルールでエントリー不可にしているチャートパターンは、別に負けていたわけではなく、収支とんとんでした。
それを 「やっても無駄なトレード」 と考え、エントリーしないことに決めたんです。
基本ルールによるエントリーは148回。 マイルールは108回。 40回も少なくて済みます。
同じ利益を得るためでも、少ないトレードで稼ぐ方が効率的。 なので私にとってのマイルールは、たくさん勝つだけでなく、トレードを楽にするという意味があります。
あ、言い忘れてましたが、楽して勝とう というのが私のポリシーですので、全体にそういう方向性だというふうにご理解くださいね。
このルールで実際にトレードする場合に意識したいポイントについては こちらをどうぞ。
【過去のマイルール】
※2010年に作った最初のマイルールについての解説です。
以下のグラフは、基本ルールのみによるトレードとマイルールを加えたトレードの成績比較です。バックテスト用ソフト Forex Tester を使用してすべて手作業でエントリーしたものです。 (グラフ中、マイルールは「EUルール」「GUルール」と表記)
EUR/USD のトータル利益は、基本ルールが437pip、マイルールが931pip。
基本ルール(青)ではマイナスの月が多いのに比べ、マイルール(赤)は安定しています。
GBP/USD のトータル利益は、基本ルールが580pip、マイルールが1,346pip。
マイルールも8月にはマイナス73pipまでへこみました。何をやってもダメな時というのがあるようですが、長い目で見て勝てればOKですね。
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