2012年1月6日金曜日

祈りをこめて料理した


まだ年初なので、ちょいと新しいことをやったという話を。
 
いえトレードの新技とかじゃなくて、食い物のことです。
 
 
ふだん食べているものを ほとんどを食べてはいけない 病気になったらどうします?
 
パン、ピザ、パスタ、てんぷら、ハンバーグ、揚げ物全般、カレー、餅 などなどなど...
 
ポテチ、クッキー、チョコレート、ガム などなどなど...
 
醤油・ソースなど各種調味料 などなどなど...
 
これらのすべては麦類に含まれるたんぱく質、グルテン が入っているんですが、グルテンを摂取すると腸壁が壊れるセリアック病というのがあるんです。
 
患者によってはほんの数粒の小麦粉を飲み込んだだけで激しい腹痛やアレルギー症状に七転八倒するといいます。
 
数グラムじゃないですよ、目にも見えないくらいの僅かなグルテンでもアウトの人がいるんです。
 
だからグルテンは100%シャットアウトしないといけないが、そうなると食べてもいい食品の種類は激減してしまう。
 
たとえばハンバーグのつなぎに小麦粉が使われていることは誰でも知っていますが、驚くほど広範な食品にグルテンが含まれていること、私は意識したこともなかった。
 
たとえば上記に挙げた 「餅」 も、そりゃ原料はコメですが、まぶしてある粉がアウトなんですね。
 
グルテンがダメだと、もうメシがつまんないとかいうレベルではなくて、食えるものがほとんどないというのに近くなるらしい。
 
それでも自宅だったらグルテン抜きの食品を蓄えておき、基本は野菜中心にするなどの対応もできますが、外食がきわめて難しい
 
腹が減ったからそのへんのラーメン屋やハンバーガーショップに駆け込むというのができない。
 
ちゃんとしたレストランへ行っても、食べられるメニューはごくごく僅か。
 
というか、運よくグルテン抜きのものがあったとしても、それを調理するまな板や包丁、容器、コックさんの手にグルテンが付着していたら、それだけでアウトになることも。
 
もうどこで何を食べたらいいのかわからない。
 
友達との食事やパーティなんていうことにも大きな制限がかかるので、社会生活そのものがけっこう大変です。
 
 
で、そういうセリアック病とたたかっている人 (かみさんの友人) を、大晦日のディナーにお迎えすることになりました。
 
どんなことがあってもうちの食事でエライ目にあわせるわけにはいきません。
 
同時に、是非とも食事を楽しんでいってほしい。
 
かみさん、数日前からグルテン抜きの食品を探しに出かけたり料理の知恵をネットで探したりと、いろいろやってました。
 
幸いなことに、近所のオーガニック食品スーパーに各種の グルテン・フリー食品 が置かれていました。
 
値段はきもーち高め
探せばあるもんですねえ。
 
以前には気づかなかった Gulten free の表示がけっこうあちこちに出ています。
 
パスタなんていったいどうやって作っているのか不思議 (こんど調べておきます) 。
 
そのほか、上記で挙げた数々の食品のグルテン・フリー版が見つかりました。
 
グルテン・フリーはメーカーが勝手にそう名乗っていいわけではなく、なにしろ同じ工場でグルテンを扱っているだけで混入の危険性があるため、役所による定期的な検査を受けて認証を得る必要があります。
 
 
さて、このようにしてグルテン・フリーの素材はそれなりに揃うのですが、料理となると簡単ではありませんでした。
 
たとえばパスタにしたって、麺だけ茹でても食えないわけで、ソースや添え物が必要。
 
その材料や調味料のすべてにいたるまでグルテン・フリーで揃え、なおかつ美味しいものにしようと思えば、かなりの知識と経験が要求されます。
 
自分用ならいざ知らず、ゲスト用となればハードルはかなり高いということがわかりました。
 
今回は準備期間が実質2日しかなかったため、かみさんは考えた末、シンプルな献立を考えました。
 
(太文字はグルテン・フリー商品)
 
前菜として野菜スティック、茹でエビ、ポテトチップス2種類、それらをつけるディップ2種類、チーズ2種類。
 
沖縄風タコライス (ひき肉、玄米、レタス、トマト、小ネギ、タコソースの素サワークリームサルサソース、ミックスチーズ
 
デザートとして、自家製イチゴのジェラート風アイス、チョコレートクッキー
 
ワイン、ジュース類
 
ちなみに、ワインの樽の木栓を固定する糊のようなものに小麦粉が含まれているケースがあり、それでアウトになる患者もいるとか。
 
 
調理作業にも配慮が必要です。 まず料理台まわりを清掃して、そのへんにわずかに付着しているであろうパン粉や小麦粉を完全に除去。
  
すべての調理器具と食器も、念のため食洗機で洗浄しなおし。
 
調理中も、どこかのひきだしや冷蔵庫などを開けたときにうっかりグルテンを持ってこないよう注意をはらい、手や包丁は何度も洗う...
 
 
未経験なことだったので、いろいろ戸惑ったり失敗しそうになることもありましたが、なんとか準備完了。
ゲストを待つ食卓
 
余裕の笑顔をぶっこきながらゲストを迎え、楽しい時間を過ごすことができました。
 
とはいいながら、心中の不安がなかったわけじゃありません。
 
ゲストがどのレベルでグルテンに反応するのか、つまりどれほど重症なのかよくわかっていなかったからです。
 
「目に見えないグルテンで激しい腹痛 ...」 というホラーな想像が脳裡に去来してちょっとビクついてはいましたが、異変はおきませんでした。
 
翌朝になってもゲストのからだに異状がなかった旨を確認し、ようやく私たちも緊張を解くことができました。
 
ゲストは普段の暮らしのなかで、グルテン・フリーな食事がいかに大変なことかを死ぬほどわかっているため、かみさんの努力にとても感謝していました。
 
こちらとしては大切な友人をもてなすのに骨惜しみするつもりはなかったし、こういう世界があるんだということを身を持って体験できたことは有難いことでした。
 
コストはけっこうかかりましたよ。 でも、
 
セリアック病によって食事が制限される苦痛
 
何を食べてもつきまとう不安
 
皆と一緒のものが食べられない悲しさ を抱えている人がいる、
 
そのことをよく知ることができたんですから、安い授業料だったと思います。
 
なにより、楽しんでくれ、無事な食事であってくれと祈りながら準備した結果がうまくいってよかった。
 
えらいのはかみさんだったけど、私もちょっとは加勢できたので嬉しかったです。
 
 
皆さん、グルテン・フリーという言葉を耳にすることがあったら、こんなストーリーがあることを思い出して、ハンデを持つ人のことを思いやってあげてくださいね。
 
   
  
1/5のトレード結果です。
  
 
EUR/USD
 
200SMA: 下降
フェーズ:  下降フェニックス (売りNG)
損  益:  なし
 
下へブレークしましたが、マイルールにより見送りました。


 
EUR/USD 成績表
 
 
 
EUR/JPY
 

200SMA: 下降
フェーズ:  下降フェニックス
損  益:  なし
 
こちらはマイルールでも売りOKでしたが、ブレークしませんでした。

 
EUR/JPY 成績表



グルテン・フリー食品の件、日本ではどうだろうとググってみたら、通販での取り扱いが始まっていたり、東京にはグルテン・フリーのレストランが何件かあったりと、徐々に広まっているようですね。。
 
セリアック病は人種によって発生率が違うので日本人はどうなのか知りませんが、けっこういるみたいですよ。
 
病名自体がポピュラーでないので、病院でお腹が痛い、体調が悪いと訴えても、セリアック病と診断される可能性が低いかもしれません。
 
お医者さんも神さまじゃないので何でも言い当てることはありませんし、現に私たちのゲストも、体調不良が長く続いたためいろんな病院でいろんな検査をするうちにようやく 「セリアック病では」 ということになり、それでもまだ確定診断はされていないとのこと。
 
そういう話を聞くにつれ、ムシャムシャと何でも食える自分の日常がとてつもなく有難いものに思えてきました。
 
それでも酢漬けキャベツが大嫌いなのはどうすることもできませんが。

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