2012年1月3日火曜日

天才とアホの国

年初にあたり、日本とアメリカの違いについてちょいと考えてみました、ってほどのことでもないんだが ...

外国にいると、なんでこいつらこうなの? と思うことがよくありますが、そのことは即座に じゃあ俺たちはなんでこうなの? という疑問になって返ってきます。

日本人とは、自分とは何者かという興味がわいてくる。

だからアメリカを知るにつけ、日本がよく見えてくるような気がする。

論点が整理できるからでしょうかね。

そんな動機でアメリカ人に目を向ければ、これはなかなかオモロイ観察対象です。


テレビを見ていてふと気付いたのですが、アメリカの親って子供にむかって

「I'm very proud of you あなたのことをとっても誇りに思うわ」 というセリフをよくはきます。

今回、「天才」のほうの写真がなかったので ...
これを聞くと私の頭のなかでは、エジソンやジョブズのような天才たちと、意味不明なアホが一緒になって踊るイメージが広がります。

アメリカは天才とアホのごった煮、というイメージです。


なんでそうなるのか?

「誇りに思うわ」にもどりましょう。

これは子供が何かをちゃんとできたとき、すごく努力したときにかける言葉で、子育ての定番フレーズらしいです。

日本だったら 「よくできましたねー、偉いねー」 という感じ。 

だけど、「偉いねー」 と 「誇りに思うわ」 を比べると、後者のほうが 親の感動や信念 が込められており、子供にとって強い響きがあるような気がします。

子供を伸ばす言葉としてはなかなかパワフルなんじゃないでしょうか。


では親たちはいったい何を誇りに思っているのか?

ここからがアメリカの面白いところ。 「誇りに思うわ」 としばしばセットで使われる言葉があります。

I'm very proud of you for being special.

あえて直訳ぽくしますが、あなたが特別な子であることを誇りに思う、というやつです。

ご存知のように、アメリカの教育は個人の特性を伸ばすことを重視しており、それはもちろんアメリカ社会全体の価値観の現れです。 つまり、

「人間にとって一番大切なのは、自分らしくあること」 ということ。

親たちは、子供の考えや行動がユニークであることを喜び、それを伸ばすことに熱心です (あるていど四捨五入した言い方)。 

そして、たくましく自立した人間に育つことを願います (これは確実)。 

だから、子供がなにか個性を発揮したとき、親は 「すごいすごい」 と褒めそやす。

下の子のメッセージは、
・・・ 翻訳やめときますね
「あなたは特別な子よ!」 「誇りに思うわ!」
というホメゴロシ攻撃を受けたアメリカ人がどう育つかは、みなさんご存知のとおり。

日本人には想像できないほどの 強い自信 を持っており、これと思った方向へどんどん突き進んでいく。

ある方向に伸びれば、ユニークな発想で前人未踏の分野を切り拓く天才に。

別の方向に伸びれば、周囲がほとんど理解できない不思議な人格、つまりアホが完成します。

だからアホがいっぱいいることは、この国が天才を生み出すための必要経費 だと、これは私がたどりついたアメリカ観です。

ここまででおわかりいただけたと思いますが、私がここでいっている 「アホ」 というのは、低能とかいう意味ではなく、ユニークすぎるヒトといった意味です。


さて、アメリカにはアホが満ち溢れています。 どこから先をアホと定義するかによりますが、割合でいうと、

天才ひとり、普通のヒト100万人、アホ2万人

という感じでしょうか。

こうして数えてみると、ひとりの天才を生み出すために2万人のアホが発生しているアメリカというのは壮観です。

そんなアホを一度にたくさん見られるチャンスは、たとえばタレント発掘番組。

予選レベルを見てると、ユニークすぎて痛いヒトがぞろぞろ出てくるので、ありえねー! と叫んでしまうことがあります。

でも彼らの言動を見ていると、とってもとっても自分に自信を持っており、実に堂々とふるまっている。

その心底楽しそうな表情を見ていると、「痛い」 なんて思っているこっちの感性がまるで無意味なことに気付かされます。

アメリカのおもしろいところは、アホがこうして幸せな気持ちで生きていること、

周囲から 「変なやつ、異質なやつ」 と排除されることなく、道のまんなかを楽しそうに歩いている ことじゃないかと思うんです。

だから、アホじゃない普通の人でも、自分が周囲と違っている部分について気に病むのではなく、むしろ楽しんでいる。

ゆったりと、堂々としている。


世界から見たアメリカ人というのは、いろいろ誤解されていると思います。

たとえばアメリカ人が誰でも自信にみちた態度をとっているのを見て、

 「超大国だからえらそうにしている」

 「後ろ盾があるから態度がでかい」

という人がいますが、それは違うと思います。

たしかにアメリカ人は自国がスーパーパワーであることを頭では知っていますが、それを実感するほどの国際センスを持っていません。

つまり、田舎者です。

あ、ついでに言っておきますけどNYやロサンゼルスなんていう都会はアメリカのごくごく一部であって、大半は実際問題としてものすごい田舎。

そういう意味では、平均的な日本人よりアメリカ人のほうがよほど田舎者であり、よくもわるくも 「この世=アメリカ」 みたいに思っている人が多い。
 
だから彼らは、外国人を見下してオイこっちはアメリカ様だぜという態度にでるような、悪い意味での国際センスを持ち合わせていない (一部の例外をのぞいて)。

彼らが自信たっぷりに見えるのは国家のせいではなく、個人々々がそういうふうに育てられているから。

教育のせいです。

家庭と学校、つまり社会全体がそういうふうに人間を育てているからだと思います。

そういうやり方でもって、アホという必要経費を支払いながらも数多くの天才を生み出すアメリカ。

この国のそういう魅力を知っているからこそ、今も世界中から移民が押し寄せています。

途上国だけじゃなく、ヨーロッパからもおおぜい渡ってきます。

そしてじゃんじゃん子供を作り、育てています。

天才+普通+アホという組み合わせではありますが、何よりも有用な国家資源である 「人材」 を育てています。

高齢化により活力を失う一部の先進国を尻目に、身も心も若々しいアメリカ

いま世界の経済、つまり資本主義がどん詰まりに来て崩壊するのかといわれるほどの激動期を迎えていて、この先なにがおきるかわかりません。

でも、今後の世界がどんな紆余曲折を経たとしても、私はアメリカの相対的な強さが容易に揺らぐことはないと思っています。

これだけの人間パワーを備えている国はないと思うから。



それじゃ、アメリカの強さをひっぱるのが一部の天才たちだとすれば、その 「必要経費」 であるアホはいったいどうすりゃいいんだろうか?


・・・ と思ってみたものの、この 「どうすりゃいいんだ」 という設問じたいがとてもジャパニーズなんですね。

だって 「どう生きるべき」 なんてことは誰も考えていなくて、アメリカ人にとっては、アホだろうがなんだろうが自分のありのままでいることがすべてだから。

世間の価値観ではなく、自分の価値観で生きる。

それがアメリカ人の幸せのみなもとであり、そのことが結果として国家の強さにつながっているんじゃないだろうか。

そう思っているところです。


これ、日本をアメリカみたいにシマショーとかいう話じゃありませんからね。

日本には日本の行き方がある。

でも、これから確実に突っ込んでいく不確定性の時代をどう生き延びるのか、それを考えるうえで何かの参考になることは間違いないと思うんです。

2012年、想定外の事象がまだまだ起きる年になるでしょう。

大波に揉まれながら、みんなで考えていきましょう。



/3のトレード結果です。 

 
EUR/USD

200SMA: 上昇
フェーズ:  上昇ツーソン ~ フラッグスタッフ
損  益:  なし

上へのブレークが連続しましたが、長ヒゲのため見送り、それを越える終値がでないのでまた見送りという状況が続きました。



NYは開いていましたが、振替休日だった2(月)の延長なのか商いが閑散としていた印象。 明日からブイブイ動いてほしいですね。

EUR/USD 成績表



EUR/JPY

200SMA: 下降
フェーズ:  上昇ユマ (買いNG)
損  益:  なし

こちらはきれいにブレーク しましたが、マイルールでは買い禁止。 エントリーしたらストップアウトでした。


EUR/JPY 成績表



アメリカの 「アホ」 について、かなりポジティブな書き方をしました。

アメリカ人の強さ、社会の多様性といったものについて考えるための材料として。

しかし実生活では、アホのおかげでエライめにあうことはしょちゅうです。

世間の目を気にしすぎる日本人も不幸だと思うけど、そういう歯止めがないアメリカ人が変な方向に行くと、実に迷惑な人間になることが多い。

そういう怪談のようなネタもあるので、またいずれかの機会に。


下のボタン、ポチしていただけると嬉しいです。 ほんとに元気出るんです。
 

0 件のコメント:

コメントを投稿