為替への影響が大きいアメリカ経済の行方。
失業率が下げ止まったから景気はそろそろ上向きとかいう類の話を、この1年ほどのあいだ何度も聞かされてきました。つい最近もそうでした。
でも、市井に暮らす者のひとりとして私が見るアメリカ経済は、ぜんぜんダメです。
こんな例があります。
この週末、IKEA(スウェーデンのチープ家具・雑貨の巨大店)へ行ったところ、100ドル以上の買い物をした客は食事代がタダになるというではありませんか。これにはびっくり。
イケや!食えや! |
夫婦ふたり、店内レストランで20ドルほどの食事をしたところ、いったんはお金を払うものの、後で買い物金額から差し引いてくれる方式で、ほんとにタダになっちゃいました。
ミートボール、サーモン、ポークチョップの三皿+飲み物でお腹いっぱい。
私が知るかぎりではIKEAがこんな大盤振る舞いをしたのは初めて。少なくとも、とーーーーってもまれなことといえるでしょうね。
この現象は、IKEAのように思いっきり庶民むけで、なおかつ同一カテゴリにこれといった敵がいない会社でさえ、今は客寄せに必死になっているということだと思うのです。
こうした例は、この1年のアメリカを見ていれば枚挙にいとまがありません。
とにかくモノが売れてないようです。
だからあらゆる業種の店がのべつ幕なしにバーゲンをやっており、高級ファッションブランド店でも、目を疑うような割引を目にすることが増えました。
右を向いても左を向いてもバーゲンだらけ。
売れないよー。仕入れ原価だけでも回収しないとまずいぞー。
ええい、とにかく現金化して当面つなぐぞ!
そんな必死さがひしひしと伝わってくるように思えます。
(関係ないけど、円高の今、買い物好きの人が日本から来たら発狂寸前のショッピング天国です)
なんでモノが売れないのか。
それはズバリ、庶民の財布までお金がまわってこないからでしょうね。
仕事がない、給料が上がらないからお金が足りない。今後もよくなるきざしが見えないから財布のヒモは締める一方、というわけです。
このところ政府はドル札をいっぱい刷って景気浮揚(インフレ)を狙っているようですが、政府がどんなにお札をばらまいたところで、そのお金を産業界が使って生産・消費が行われなければ景気なんて動きません。
出回っているお金がいくら増えても、使われているお金が増えなければ、インフレは起こらないということです。
(日本でもお札をじゃんじゃん刷れば景気回復!なんて真顔でのたまう経済学者がいるようですが、お金は使う人がいないと動かないという単純な事実をご存知ないようで、痛いですね。)
さて今アメリカでは、
使われているお金が増えない → 庶民の財布にお金が回ってこない → モノが売れない
という悪循環のなか、産業界には、設備投資をし、人を雇って生産に打って出るだけの気運があまり生じていないようです。
景気浮揚せずインフレがおきないとすれば、ほかには何がおきる可能性があるでしょうか?
バーゲン以外で買うもんかっ! |
例外はあります。たとえばガソリン代はこの1~2年で50%は上がったでしょうか。でも、クルマ社会のアメリカではガソリン代の節約が難しいので、値上がりぶんは他の出費を節約して暮らすことになります。
だからまたモノが売れない。売れなければ値段が下がる・・・・。
つい最近、FRBだったかの金融当局者が「デフレ懸念は去った」と言ったのを耳にしましたが、思わず「ハァ?」と言ってしまうほど日常感覚とのズレを感じています。
まあここでデフレスパイラルに突入したらお終いとばかりに、当局が市場の気分誘導をこころみるのは当然のお仕事でしょう。それも大切なことです。
でも、それがほんとに口先にしか聞こえないところに今のアメリカのヤバさがあるように思えてならないのです。
いったいアメリカ経済は、ドルは、どこに向かおうとしているのでしょう?ちゃんちゃん。
なーんて素人講釈におつきあいいただいて、ほんとにすいません。
もしかしてもしかして皆さんの材料になるかもと思い、ぐだぐだ言ってみました。
というか、政府筋が言ったことを批判も分析もなく垂れ流すだけのマスコミ(←主に日本の)のせいで私たちが本当のことを知るチャンスって少ないですから、みんなで見たこと感じたことを報告しあうことは決して無駄ではないと思ったりもするわけで・・・・
失礼いたしましたー。
17日(月)のアメリカは、マーチン・ルーサー・キング記念日のためマーケットはお休み。私もお休みです。
IKEAのタダメシ、今日までやってるのでまた行ってこようかなー。
でも今さら家具100ドル以上も買うあてないぞー。土曜日に買ったばっかりじゃん。
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