2011年3月5日土曜日

パンドラの箱が開いたらどうなる ~妄想編~

もしかすると、ドルもユーロも円も目茶苦茶な動きをするトンデモ相場が近づいているのかもしれません。

(トレードが膠着状態でヒマになると、ついつい楽しい?ことを考えてしまいます)

私は経済にも為替にも素人なので、そういう観点から見ているわけではありませんが、やっぱりアラブ世界の動きはヤバイと感じませんか?

先日、エジプトの民主革命によせて、若者が新しい国を作る可能性についてひとこと触れましたが、エジプトやチュニジアはそれでめでたいことだとしても、アラブ・イスラム世界に蔓延する民主化への渇望が爆発すると、これは世界への影響大きいです。

今世界が注目というか、祈るような思いで見つめているのは、最大の産油国サウジアラビアの安定です。

サウジという国は、イラクやイランのようなゴタゴタが起きていないので、なんだか平穏な国のような気がしますが、実は内部には大量の可燃性ガスがたまっています。 地下資源のガスじゃなくて、社会に不満がたまっているという意味です。

サウジでは、人口では少数派のイスラム教スンニ派の人たちが、王族とその取り巻きを中心として国家の権力と富を握っており、人口が多いシーア派の一般国民は、チャンスに恵まれない暮らしをしています。

さらに言えばサウジという国は、私たちがイメージするところの法律というものは存在せず、コーラン(イスラム教典)にもとづくイスラム法によって実質的に統治されていることから、私たちには想像できないようなレベルで国民の人権が制限されています。

もっと言えば、コーランの教えとはまったく無関係な極端な男尊女卑、残虐な刑罰などが行われており、国際社会から長年きびしい批判を浴びています。

こうした悪習は、イスラム教以前から続くアラブ民族の風習が根強く残っているものであり、更にたちがわるいことに、宗教の威を借りて悪習を正当化していることが問題を深刻化させています。


私はイスラム教そのものに対して偏見は持っていないつもりですし、隣人愛を説いた優れた宗教だと思っています。

けれど、なんであれ宗教あるいは宗教の威を借りたパワーで統治することについては、かなり問題があると思っています。 これは善悪の問題ではなくて、制限と圧迫の多い社会は長持ちしないという歴史的事実に照らして、こうした統治には無理があると感じているからです。

以前にサウジの知人と話していたとき、「市長の選挙」という話題になったことがあります。 そしたら知人はキョトンとしてしまって話が続きません。 なんでだろうと思ったら、サウジでは市長というものは政府が指名するものであり、選挙なんてやらないものだから、投票行為を通じて市民が政治に参加するという概念がないということがわかりました。

はっはっは。サウジは私の私物です。
市長の上の知事レベルだと、政府の指名によることはもちろん、なれるのは王族だけと決まっています。

国家レベルでいうと、国会も内閣も存在せず、要するに王様一族が好きなようにやっている国なのです。

もともとサウジっていうのは、第一次世界大戦後のゴタゴタのなか、イギリスによるかなりあくどい中東政策が生み出した国家です。

それ以前は、不毛の大地のあっちこっちにちらばった遊牧民の親玉が、熾烈な勢力争いを繰り広げてきた場所であり、ちょうどいい時期に勢力が強かった親玉が、イギリスのおぜん立てに乗っかってサウジという「国家」をつくり、国王になったのです。

サウジ王家というのはそういう素性の「王家」ですが、第二次世界大戦ごろに開発が始まった石油により突如として大金持ちになり、世界に大きな影響を与えるようになったことで、「俺たちは偉い」「力こそが正義だ」という自己正当化、あるいは人格の肥大化がかなり進んだ印象があります。

こんな国が今までひっくり返らずに来れたのは、巨大産油国の安定を望むアメリカから手厚く保護されてきたから。 アメリカは、中国などの人権問題にはツベコベ言うくせに、サウジの人権問題なんてまるで存在しないような態度を決め込んできました。 これもサウジ保護のいち側面です。

ところで、この話題になるとすぐに「アメリカは汚い」とか言う人がいますが、国家なんてどれも同じようにしたたかであり、この程度のことは国際社会では常識です。 イギリスやフランスなんて、比べ物にならないほどあくどいですよ、実際。 アメリカは図体がでかいから動きが目立つ、影響が大きいというだけです。


さて、サウジ内部にはガスが溜まっている。 そして、アラブ・イスラム世界には民主化の波が広がっている。

この国に何かえらいことが起きたら、どんな影響があるでしょう。 そんな予想は学者だのアナリストだの仕事であって、私なんぞの出る幕ではありません。

ただ言えることは、サウジに何であれエライことが起きたとしたら、たとえば石油減産によるオイルショック、サウジ「新体制」が意図的にドルを原油決済通貨から外すといった騒動がまきおこるかもしれません。

そんなことが起きたら、世界経済へのインパクトは計り知れません。 ここでいう経済とは、産業という側面と、為替という側面のすべてを含んでいます。

サウジは、まさにパンドラの箱です。

国際社会は、このパンドラの箱の蓋がこじ開けられることのないよう、全力を尽くすでしょう。 だけど、大きな時代の流れというのは、その時々の人間どもが想像もしなかったような変化をもたらすものです。

民主化の波はサウジに届くのか? 届くと何が起きるのか?

とんでもなく不謹慎かもしれませんが、騒動が巻き起こることをいろんな意味で楽しみにしている自分がいます。 皆さんはあの動きをどんな気持ちで見ていますか?



さーて、騒動がなんにも起きない為替相場へ行くぞー。



3/4のトレード結果です。


(ユーロドルは金曜日お休み)


GBP/USD

フェーズもへったくれもありません。 みごとにボックスに収まった一日でした。
さて、来週はどっちへ行くのでしょうか?


GBP/USDの成績表はこちら (常に最新のものにアップデートされています)


相場もパッとしないなら、私もトレードをしていられない日が続きます。 来週はほとんどNY出張しっぱなしで、出張ということは忙しく働かなくてはならず、トレードは殆どできないんだろうなぁ。

そして、まさにそんなタイミングで相場がグワバッと覚醒する→トレードすれば大儲け!ってなことが起きるような気がして気がして眠れぬのでござる・・・。

それに、2月の詳細な振り返りを週末にやろうと思っていたのに、出張の準備で忙しいし・・・ とブルーな金曜日でありました。

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