2011年9月7日水曜日

生マエハラ、見たぞ

今日は民主党の前原誠司さんに会ってきました。

うぉぉー知り合いかい?! と思ったあなたは慌て者。

前原さんはいま渡米中で、ワシントンDCで行われた日米関係の今後を考えるシンポジウムに参加したんです。

んで私はちゃっかりそれを見物いや聴講にでかけたというわけ。


iPhoneじゃこれが限度で...
彼のアメリカとの関係は古く、今から15年も前、新党さきがけの時代に普天間基地の移設問題を話し合う最初の担当者として対米交渉にあたって以来だと言っていました。

さきごろ外相(兼沖縄担当相)として普天間問題に取り組んだのは、なにか宿命的な流れだったのかもしれませんね。

普天間問題そのものは、鳩の字の大迷走のおかげで長年の地道な交渉が水の泡になる寸前までこじれちゃったけど。


前原さん、シンポジウムでは基調講演をしたんですが、立派な英語で話してましたよ。

発音は日本人らしく正統カタカナ英語で勝負! でしたが、よく練られた原稿をもとに真摯で熱のこもったお話しぶりでした。 内容は、

■震災救援のオペレーション・トモダチの成功で日米の協力関係の重要性が見直されるなか、

■北朝鮮問題や東シナ海の領土問題などで日本の安全や主権が揺さぶられている。

■とくに中国は、国際社会がこれまで作り上げてきたルールを自分たちの好きなように変更する 「ゲームチェンジャー」 として台頭し、世界のパワーバランスを変えようとしている。

■そうした中国を国際社会のよき一員として導くためにも、これまで以上の緊密な日米協力が必要。

といった骨子でした。

具体策について、防衛力のありかた、経済協力、人材交流などの例を語っていましたが、日本の政治家やマスコミがふだん語らないレベルのちょっと刺激的かつ重要な内容が含まれており、中途半端に紹介すると誤解される方が多いと思うのでひかえておきます。

日本の新聞・テレビ局が来ていたので、もしかしたら報道されるかも。


今回、かえすがえすも民主党って変な党だなと思いました。

だって左翼活動家出身の菅さんとか、国際的な笑い物になっている 「国連中心主義」 なるものをかかげる小沢さんなど、アメリカとはかなり距離がある党内有力者が多いなかで、こうしてせっせとアメリカに足を運び、地味に活動している前原さんのような人もいる。

鳩の字が 「東アジア共同体つくって共通通貨も持てたら素敵 」 なんて寝ぼけたこと言っている裏で、現実的な仕事に汗をかいてきた人がいることに、ちょっと安心しました。
 
前原講演のあと、自民党の塩崎恭久官房長官や日米関係論で今もっとも影響力があるといわれる政治学者マイケル・グリーンなどがパネルディスカッションをしたのですが、「前原さんが〇〇とおっしゃったとおりでありまして...」 という引用が何度もされていたのが、へえーという感じでした。
 
(余談ですけど塩崎さんの英語は怖ろしいほど流暢で、さすがハーバード卒の修士は違いますなあ)

かわいらしいカタカナ英語は別して前原さんに私が期待するのは、京都に帰ってせっせと地元サービスするかわりに、票にもならないアメリカに来て日本のために働くその姿勢、その可能性です。

ただし前原さん、過去のイロイロな経緯を振り返ると、

ひとりの社会人としての脇の甘さ、

危機を嗅ぎわける嗅覚、

言ったことをやりとおす貫徹力 (=実行可能なことだけを言うズルさともいう)

といった点でかなり未熟な印象があるので、是非是非きっちり男を磨いて出てきてほしいと思うのです。

時差ボケできついでしょうけど、しっかり仕事して帰国してください。



それにしても、モグリ聴講者とはいえハイレベルな人たちが集まるシンポだったので、なんと私、スーツ着用にておでましー。

ネクタイすると首の血管が締まって頭痛がするのでたいへんでした。

次回はポロシャツで行きたいんだが、やっぱまずいやろなー ...


(前原ネタ、あとひとくされあるので末尾に入れておきます)



9/7のトレード結果です。 


EUR/USD
 
200SMA: 下降
フェーズ: 下降フェニックス
損  益: なし

ボックスからのブレークがありませんでした。



EUR/USDの成績表はこちら (常に最新のものにアップデートされています)



GBP/USD

200SMA: 下降
フェーズ: 下降フェニックス
損  益: ▲30pip

これはちょっとヤパイなーという漠然たるアラームが鳴ったのですが、トレードしない理由をちゃんと説明できなかったので、しかたなくエントリー。

一時25pipぐらいまでは行きましたが、昨日のような下落は起きずストップアウトしました。


GBP/USDの成績表はこちら (常に最新のものにアップデートされています)




前原さんのことで言えば、最近彼を罵倒するブログを目にして心底びっくりしたのでご紹介します。

ウィキリークスが暴露したアメリカ公電 (東京の米大使館→国務省) のなかに、2010年当時、国土交通省兼沖縄担当相だった前原さんがアメリカ側に話した内容が含まれているのだそう。

それは以下の3点。

■普天間の移設問題については防衛大臣が鍵を握っている。なぜなら普天間の安保上の重要性を判断できる専門知識を持っているのは防衛省だけだから。
 
■(普天間問題について)民主党と連立する社民党・国民新党には拒否権を持たせない。
 
■小沢一郎は相手によって発言を変えるから気をつけろ。アメリカと話すときは普天間移設を強力に支持する(ふりを)するかもしれない。

この 「前原発言」 についてブログ著者の天木直人氏は、

その内容は驚愕的だ。(中略) 日本の政権の中枢にいる国務大臣がここまであからさまに日本政府の内情を語る。 これを称して売国奴というのではないか。
 
と書いていますが、驚いたのはこっちですよ天木さん。 だってね ...
 
■基地問題という安全保障マターについてもっぱら防衛省が専門知識を持つとか、防衛相が鍵を握っているなんてことは、別に前原さんに言われなくたって常識でしょうに。 そんなことを知らずにアメリカが対日交渉していたとしたら、それこそ驚愕。
 
■普天間問題の決着を目指す政権与党の一員として、連立政党とはいえこの問題についての反対勢力を抑えて事を進めるよと相手(アメリカ)に伝えるなんて、これも当たり前のこと。 それくらいの意思疎通がなかったら外交交渉なんてまったく成立しません。
 
■小沢一郎の二枚腰に気をつけろという警告、これも 「あからさまに日本政府の内情を語る」 なんていうレベルのものではない。 普天間問題の決着とともに日米関係を安定させたい前原さんが、対米姿勢では不可解な転向ぶりを見せてきた小沢さん、すなわち日米外交の不安定要因について注意を促すのは当然のこと。 


これらの 「前原発言」 は外交の現場だったらごく通常レベルの内容だし、逆に、相手方とされるキャンベル国務次官補やグレッグソン国防次官補が、この程度のことについて前原さんに教えられるまで知らなかったなんてあり得ないと思います。
 
外交というのは決してきれいごとの応酬ではなく、テーブルの下でいろんな突っ込んだ情報のやりとりが行われています。 そういう中では、この前原発言など何ほどの重大性もないごく平凡なおしゃべりでしょう。

また、当時の前原さんは外務相でも防衛相でもなかったので、安保問題の外交交渉の最前面に出る立場ではなかったと思いますが、外交というものは相手国とパイプのある政治家・官僚を総動員して行うものですから、前原-キャンベル等のラインでこうしたやりとりがあったことは当然のことです。


さて、この程度のことに 「驚愕」 し、 前原さんを 「売国奴」 と罵倒する天木氏は、外交官出身。

豪公使、加公使などを経て駐デトロイト総領事も務めた天木氏に、あなたは外交交渉の席でいったい何を話していたのですかとお尋ねしてみたいものです。

もしかすると天木氏は、前原さんが日本の内情を 「外部にしゃべった」 ことではなく、「しゃべった相手がアメリカだった」 ことに腹を立てているのかもしれませんね。

天木氏は、普段から親米的と見た政治家にはことごとく売国奴のレッテルを貼っており、かなりのアメリカ嫌いとお見受けしますが、民主党のなかにも前原さんのような親米派がいることに腹が立ってしょうがないのかも。

天木氏が親米か反米かはどちらでもいいのですが、仮にも外交実務の経験者がこの程度の論を展開されるというのは、我が国の外交レベルを知らされるようで国民のひとりとして切ないです。

反米なら反米の論客として、もうちょっと内容のあるものを書けば説得力も生まれるのですが。

それとも天木氏、駐レバノン特命全権大使当時にイラク戦争に公然と反対し、反米・反小泉政権の旗手としてカッコよく外務省を去った (ご本人は解雇と主張) 方ですが、その問題以前に外交官としての資質に重大な問題でもあってうまいこと首を切られたんじゃ ...

などと下衆の勘繰りをしたくなる夜更けであります。


ところで言論の自由は完全に守られるべきものですが、こういう方が参加しているBLOGOSは読者の選択にまかせられているとしても、この方の記事をひんぱんに転載するライブドアニュースは、記事の品質というものについてどう考えているのか知りたくなります。

仮にも 「ニュース」 を名乗るかぎり、単に天木氏がそれなりに有名だから載せるとか、反米だから載せるとかいうレベルではまずいでしょう。 

ぜひ一定の水準に達している論説を紹介してもらいたいものです。 繰り返しますが、右か左かという問題じゃないですよ。

そのあたり、しょせんライブドアだからなんて言われないよう、メディアの一員としてがんばってくださいね。

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