2011年9月21日水曜日

驚愕のブログを読んで

つい先日(9月14日)に、小泉元首相のエピソードを書きましたが、なんという偶然かその直後(18日)にご本人が講演をして、対中交渉の舞台裏について明かしたそうです。
 
(小泉さん私のブログ読んでくれたの?とかボケたりして)
 
ところが、その講演内容に我らがブロガー天木直人氏が噛みついた。
 
その噛みつき方が、以前の別ネタのとき (←ページ下部をご参照) 同じくらいびっくりする内容だったのでご紹介しましょう。
  
私の手元には小泉さんの講演要旨がないため、それをふくめて天木氏ブログ (BLOGOS版)から引用するという、やや心もとない方式ですが、大意ずれることはないと思います。
 
たいした長さではないので、すべて引用します。
 
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小泉元首相が9月18日に川崎市内で講演し、日中関係について要旨次のように述べたという。
 
 「『靖国神社に参拝しなければ中国とうまくいく』なんていうのは関係ない。参拝しようがしまいがいまだに沖縄・尖閣諸島で摩擦が起こっている」、と。
 
 小泉元首相はさらに講演で、チリで開かれたアジア太平洋経済協力会議(APEC)の際の日中首脳会談の設定をめぐり、強硬姿勢に出ても会談が実現した裏話を、次のように得意げに披露したという。

 
 すなわち「来年、靖国神社を参拝しないなら(首脳会談を)受ける」と打診されたが、外務省を通じ、「必ず参拝します。それで会談を拒否するならかまわない」と返答した。中国は最終的に、参拝を明言しないことを条件に、会談を受け入れた、と。

 
小泉元首相のこの言葉は、野田首相が自分の信念を曲げて靖国神社参拝を見送ったことに対する批判のつもりなのだろうが、首相を辞めてもなおこんな事を言っているようでは、やはり小泉純一郎は救いがたい。
 
 外交は自己満足の道具ではない・・・


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つまり小泉さんは
 
 「靖国参拝をやろうがやらまいが、どうせ中国は日本に強く当たってくる」 
 
 「靖国参拝をやめるなら首脳会談に応じると中国が言ってきたが、それを蹴ったら向こうは折れてきた」 と言った。
 
これに対して天木氏は、「外交は自己満足の道具ではない」 とおっしゃっていますが、私には意味がよくわからなかった。
 
だって小泉さんの言い分、もっともに聞こえたんです。
 
(前回も言いましたが、参拝がいいかどうかという話じゃないですよ。 個人的にはA級戦犯合祀などの問題以前に、靖国神社には戦争関連の展示の内容にひどいかたよりがあるので、そういうことをちゃんと正してからじゃないと靖国には向き合えないと思っています。 なので、どちらかというと現在の靖国神社にたいしては批判的な立場です)
 
まず、 「どうせ中国は強く当たってくる」 というのは、まぎれもない真実だと思います。
 
対決姿勢の強かった小泉時代と、政権とるなり議員百数十人の巨大使節団を率いて北京詣でに飛んで行った筋金入りの親中政治家・小沢一郎さんの民主党時代と、何が変わったでしょう?
 
懸命のラブコールにもかかわらず、尖閣の漁船騒動ではにべもなくガツンと一発やられ、レアメタル禁輸だなんだと締めあげられちゃった。
 
あれ以来、国家主権を毅然として主張できない腰砕けの日本がいろんな局面で中国に 舐められている と感じるのは私だけ?
 
それどころか、あの一件以来ロシアまでが動き出した。
 
尖閣事件の直後、ロシアは 「領土問題で中国としっかり手を組む戦略的協力関係」 の共同声明を発信。
 
次いで史上初めてロシア大統領が北方領土に上陸するという強硬な姿勢のみならず、爆撃機2機に日本の周囲をぐるりと一周させるという露骨な挑発におよんでいます。
 
東北大震災のときには、被災者に見舞をいう一方で 「家や職を失った人は、シベリア開拓のチャンスをあげよう」 などと言ってくるにおよび、日本もここまで舐められたかと心底驚いたものです。
 
 
では、中国やロシアは邪悪な国家か?
 
そうだという人も多いでしょうが、私は国際社会なんてこんなもんだと思っています。
 
国際標準でいうところの外交というのは、あらゆる機会を自国の利益にという態度が基本です。
 
相手の弱点を見つけたらしっかりつけこむ。 
 
右手で握手しながら左手でパンチをくわらす。
 
相手には謝らせるがこっちは謝らない。
 
こんなヤツが自分の会社とかにいたら本気で許せないですが、ほとんど全社員がこういうヤツ、というのが世界という名の会社です。
 
日本にはなぜだかイギリス好きの人が多く、 「紳士の国」 なんつって憧れてるみたいですけど、イギリスほど薄汚い謀略を駆使して世間を渡ってきた国も珍しいと私は思っています。
 
中東問題がこれだけ世界のガンになってしまったのも、もとはいえばイギリスが無責任に使った二枚舌 (ちょっと長い話ですがググればすぐわかりますよ) のせいだが、その種のことについてイギリスが謝ったのを聞いたことがない。
 
フランスだって、戦後の半世紀を見るだけでも呆れるくらい自分勝手な行動を繰り返しながら、そのたび弁舌さわやかにわが身の正当性を世界に言い聞かせてきた、ある意味あっぱれな外交術の持ち主です。
 
もちろんアメリカだって、いくらなんでもどうかということをいっぱいやってきている。
 
私個人はイギリスもフランスもアメリカも好きだけど、歴史やニュースの細部を見れば 「みんなエゲツない」 という国際社会の実態は見えてくるし、そういう汚い世界だということを承知のうえでお付き合いすればいいのだと思います。


ついでに言えば、国連というのは平和への美しい思いを胸に紳士が集う場所なんかではなく、自分勝手なエゲツない連中がより集まって、なにかトラブったときに味方してくれるヤツを探す、あるいは最悪の場合の落とし所をさぐるための場所でしかない。
 
だから国連は間違っても 平和のための譲り合い の場なんかではなく、むしろ剥き出しの利害対立が最悪の方向に転がることにささやかなブレーキをかける程度の機能しかありませんし、もっとはっきり言うなら国連の歴史は失敗の歴史です。
  
国際社会ってのはそういうふうにできているんだと思って観察すれば、中国のふるまいはごく普通だし、 「日本がどういう態度に出ようと結果は同じ」 なんてことはもはや言うまでもないことでしょう。
 
それが証拠に、小泉さんが 「靖国参拝やめろと言うなら首脳会談しない」 と言ったら折れて来ました。
 
誤解してはいけないのは、 「日本が強く出たから弱く出てきた」 わけじゃないこと。
 
中国はその場その場の気分で外交をやっているわけではなく、100円損しても120円取れるならOKという計算をきっちりとやっている、ただそれだけのこと。
  
  
これらの中国ネタを小泉さんがどういう意図で話したのかは知りません。
 
俺はバシっとやったんだぜという子供っぽい気持ちもあったかもしれませんが、仮にも現役政治家が講演するんですから、そこには 「中国とどうつきあえばいいのか」  「外交ってのはどうやればいいのか」 といったテーマがあったはずだと思います。
 
もしもそうであれば、小泉さんのメッセージはただ一言に集約されると思います。
 
外交は、猫なで声じゃ進まない
 
彼が首相として体得したのはこういうことだったんじゃなかろうか。
 
だから国際社会とは信念とプライドをもって対峙しろ。 小泉さんは後輩にこう言いたかったのかもしれません。
 
つけくわえるなら、 「どういう態度に出ようと結果は同じ」 というのは、外交にはなんの戦略も必要ないとか、逆にエゲツないことした者の勝ちとかいう意味ではないと思います。
 
自分が優しければ相手も優しくしてくれるという幻想は通用しない、という意味だと思います。
  
そこを読み違えるとえらいことになるんですが ...
 
 
さて、天木氏のことです。
 
彼は小泉さんの講演について 「得意げに披露した」  と嫌味を言い、 「こんな事を言っているようでは小泉純一郎は救いがたい」 と切って捨てる以外、なにひとつ分析を加えていません。
 
最後にただひとこと、自己満足してんじゃねーよと罵倒したのみ。
 
これが元外交官のブログかと思うと、目の前が暗くなる思いがします。
 
対中関係のなかで、あるいは外交術の一般論のなかで、小泉さんのやり方がいかに無益であるかをきちんと説明してくれるのなら、一所懸命に耳を傾けます。
 
プロの話ってのは面白いですから。
 
でもそうした説得力のかけらも見いだせないブログには、今回もまたがっかりさせられました。
  
 
天木氏のふだんの言説が明らかに反米なのは承知していますが、それはつまり親中ということを意味しているんでしょうかね。
 
中国に歯向かうやつが許せないのか?
 
それは個人の主義主張ですからどちらでもいいのですが、天木氏による論拠の見えない小泉攻撃というのは、きっと小泉ぎらいが原因なんだと思います。
 
なにしろ彼は、ブッシュ政権のイラク攻撃に協力する小泉政権に現役外交官として反旗をひるがえして外務省を去った人であり、外務省が 「退職」 としているのに対してご本人は 「解雇」 だと主張しているのですから、職場を追われた被害者という思いから小泉さんを憎むのは無理もないと思います。
 
イラク攻撃の是非は別問題です。 あのとき小泉さんが間違っていて天木氏が正しかったとしても、こうした罵倒のみで内容のないブログが正当化されるわけではありません。
 
天木氏は元外交官として論説を発表されるかぎりは、ある種の社会的責任を背負っておられると思います。 しろうとがタワゴトを書き連ねるのとはわけが違います。
 
ですから、ブログはうっぷんを晴らすための 「自己満足の道具じゃないよ」 などと言われないように、天木氏がプロフェッショナルとしての蓄積をもとにすぐれた論説を発表されることを願っています。
 
いやほんと、嫌味じゃなくて。 そういう知的作業をやればできる人である筈ですから。
 
 
すいません、下手くそトレーダーのくせに。
 
今日はFOMCのため 後半は模様眺め だったので、こんなのシコシコ書いてたんです。
 

9/21のトレード結果です。 


EUR/USD
 
200SMA: 下降~上昇
フェーズ: 上昇ユマ (売りNG)
損  益: 35pip

最初のブレークダウンは売り禁止。 エントリーした場合はストップアウトでした。

リバーサルの動きで一気に駆け上がってのブレークアウトだったので、全体として怪しい相場ではありますが、ここはエントリー。 ターゲットの日足ピボット(R1)に当たりました。



その直後にFOMC発表で急落したんですが、低金利の据え置きはドル安になると思っていたのでびっくり。 火事場のトレードはしないので関係ないですけどね。

EUR/USDの成績表はこちら (常に最新のものにアップデートされています)



GBP/USD

200SMA: 下降
フェーズ: 下降フェニックス
損  益: ▲30pip

ポンドドルは迷ったんですが、ブレークダウンを見て通常の半分のポジションでエントリー。 ほんの数分でストップアウトしました。



FOMC後の急落で再ブレークしたとき弔い合戦の衝動に駆られはしたものの、お祭りには参加しないという基本ルールがあるため、ぐっとこらえて傍観しました。

度胸よく入ったとしたら前日ピボットをターゲットに77pip獲得でしたが、まあそれは結果論。

GBP/USDの成績表はこちら (常に最新のものにアップデートされています)



あっというまに9月も下旬ですが、月間成績をまとめるのが怖ろしい。 

皆さんはどんなふうにしのいでいますか?

私も寒風に首すくめるだけの能無しトレーダーでいるわけにもいかないので、いろいろと考えているところです。

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