申し訳ないけどあまりにも笑えたので、もう一回だけ(←たぶん)触ります。
今回は、ウィキリークスの米公電ネタを朝日新聞が 「ちゃんと報道しなかった」 ことに大変お怒りの様子。
そのネタとは、以前にご紹介した (=ページ下部) 前原誠司さんがアメリカ高官にいろいろと話をした件。
普天間交渉時の日本政府の内情を明かし、小沢一郎には気をつけろと忠告したというアレです。
天木氏がそのことで前原さんを売国奴よばわりしたこと、それがどれほど空回りなのかについて書いてありますので、ちょっとのぞいてみてくださいね。
で、今回の天木氏は、 「前原発言」 の内容をウィキリークスから直接入手しているはずの朝日新聞が、これについてまったく報じなかったことにかなりご立腹。
ご自分と足並みをそろえて前原氏を売国奴あつかいしなかったことが許せないらしく、朝日が書かなかった理由について
「前原氏の政治生命を危うくするからだ。つまらない政治的配慮を働かせたのだ」
と息巻いておられます。
朝日新聞が前原さんをどう思ってるのかは知りませんが、いずれにせよ 「前原発言」 が新聞ダネになるレベルのものではなかったからスルーした。 それだけのことだと思いますけど。
このブッチギレぶりもすごかったですが、今回天木氏に驚かされたのは別の部分です。
「朝日は他にも様々な情報を隠していることが容易に想像できる。これは朝日にとって致命的だ」
とおっしゃる天木氏、文面から察するに、朝日新聞がウィキリークスから入手したネタ、つまり米公電を 暴露すればするほど世の中が良くなる はずなのに、朝日はまったく手ぬるいと感じておられる様子。
にもかかわらず朝日は最近 「ウィキリークスっていくらなんでもやりすぎじゃね?」 という主旨の記事を発表した。 (天木氏は出典を明示していないが多分これ)
概略は以下のとおり。
かつてはウィキリークスから公電の提供を受けたマスコミが内容を吟味し、選別・編集したものを公表していた。
ところが去年、ウィキリークス・ネタの信ぴょう性を疑うような一部報道があったことから、アサンジ代表はウィキリークスが 「本物であることを証明」 するため、まったく選別・編集されていない25万件 の公電をネット上で一気に公開。
アサンジ代表は従来から 「透明性が民主化をもたらす」 と主張しているが、情報提供者の名前が記された公電が無差別に公開されれば当事者の生命が危険にさらされるなど、重大な問題につながる。
こうしたことから朝日新聞は、 ウィキリークスから提供された情報のうち 「読者に知らせるべきと判断したものを順次報道してきました」 と説明。
また、 「保護されるべき情報について配慮されないまま、公電のすべての情報が公開されることに賛同できません」 と立場を明確にしています。
こうした朝日の姿勢を 「情報を隠している」 と攻撃する天木氏の意図はどこにあるのか?
ひとつには、「前原発言」にもどりますが、 どうやら天木氏が熱烈に支持しておられる小沢一郎さんの 「悪口を言った」 前原さんが許せず、なおかつ一緒に騒いでくれなかった朝日に腹が立っている、という可能性。
その怒りが、なんでウィキリークスをちゃんと活用しないんだ?! ウィキリークスは正義なんだぞ! という方向に暴走したのかもしれない。
まあ八つ当たりですな。
あるいは、 「前原問題」 以前に、ウィキリークス・ネタをすべて公表しない朝日新聞に対してかねてから苛立ちを感じていたのかもしれない。
つまり、大国の国家機密を バラせばバラすほど世の中が良くなる という考え方。 アサンジ代表の主張そのものです。
このごろは同志にも逃げられちゃった正義の闘士 |
裏で悪いことをいっぱいやっているスーパーパワーにパンチを浴びせるのは痛快!
秘密のない世界こそが民主主義だ!
確かにそういう部分もあると思います。
しかし、世界中の外交関係者のあいだでは、関係者の身の安全の問題のほか、現場の担当者たちが営々と築き上げてきたデリケートな信頼関係が打ち壊されることなど、さまざまな害について語られてきました。
そりゃそうでしょう。
どこの世界にだって、例えばそのへんの会社と会社の商談にだって、その過程には外部に明かしたくない秘密なんていくらでもあり、それをいちいちバラされてちゃったら社内的にも社外的にも仕事にならないです。
世の中は見た目より複雑です。
そういうことが理解できなくても許されるのは小学生かせいぜい中学生までじゃないでしょうか。
天木氏はつい数年前まで現役外交官でした。
国家機密に関与することもあったでしょう。
そういう方が、機密情報なんてなんぼでもバラせばいいじゃんと本気で思っておられるのでしょうか (もしくはそういうレベルの仕事はしたことなかった?)。
そして、現在のウィキリークスのあり方を批判する朝日新聞の主張は間違っていると本気で断言されるのでしょうか。
正義の味方として脚光を浴びたものの、最近は仲間にも去られ、社会の支持を急速に失いつつあるアサンジ代表。
一発逆転をねらってか、暴露におよんだ25万件の公電。
これほど重い課題に触れておきながら、天木氏は何に腹をたてておられるのか著しく冷静さを欠いた文言をつらねて支離滅裂、どのような価値観を持っておられるのかさっぱりわかりません。
機会があったらじっくりインタビューしてみたいものです。
相変わらずトレードと無関係な内容かましちゃいました。
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ところで、今回の天木ブログ(BLOGOS版)については、記事の下の 「みんなのコメントを見る」 をチェックしてみてください。
読者の反応、なかなか興味深いです。
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