あ、読んでも時間の無駄ですよ。 すいませんほんとに。
わが隣人のホームレス氏について、ヤクの売人かも... と疑うかみさん。
一方で私は、彼の身の上についてもっと美しいストーリーを考えていました。
そのきっかけになったのは、
ホームレスになんで彼女がおるんじゃあああああ! とぶったまげたある事件でした。
ところで、不便なのでホームレス氏のことを仮にサムと呼ぶことにします。
わがアパートに隣接するファーストフード店駐車場の片隅、せまい芝生の上で週に4~5日は見かけるサム。 彼に出会ったのが去年の10月。
出会ったと言ってもうちの窓から見下ろして30メートルほどの距離ですので、ミリタリールックに長身の痩せた体をつつんだ白人という以外、年齢や顔立ちは不明です。
2~3個のバッグのほか大きなギターケースを持っていますが、たまにギターなしの日があり、いったいどこに置いているのかが不明。
そういえばギターを弾くところを見たことはない。 ケースの中身はほんとにギター?
ファーストフード店駐車場の片隅で昼間の何時間かを過ごすのが日課だが、それ以外の時間はどこで何をしているのか不明。
生きるため食料や小銭をゲットする必要があるだろうに、私が見ているところでそういう行動をしたことはない。
この場所で夜寝ているのを見たことがないので、どこかにねぐらがあるはず。
・・・とまあサムについて知っていることは何もなく、その身の上については、今のアメリカではありふれた話だが失業してホームレスになったんだろう、人通りの多い時間帯に都心へ出かけてギター弾いて小銭を稼いでいるんだろうぐらいの想像をぼんやりとしていたわけです。
秋も深まってだんだんと北風が冷たくなってきたころ、私たちは衝撃の光景を目にしました。
白いクルマから降りてきたひとりの女性がサムに話しかけています。 髪はくすんだブロンドのセミロング、ピンクのフリースジャケットとジーンズという、きわめて一般的な風体。
年齢は、遠目に三十代中盤かと思われるサムと似たような雰囲気です。
誰だろう、ホームレス支援関係の人かななどと思って見ていると、クルマからひとりの男性が出てきて立ち話に加わります。 彼は少し歳上に見えます。
さらにこの男性はクルマから飲み物のカップ (ファーストフード店系のでかいやつ)と四角くて平たい箱を持ち出してきました。
三人で車座になり食事を始めたようです。 箱の中身はどうやらピザ。
えらい豪華なランチやな、ホームレス支援者にしちゃちょっと手厚すぎるというか、なんかパーソナルな臭いがするなあと思ってみていました。
食事も終わり、三人で盛大にタバコをふかしながらしばらく歓談したあと、訪ねてきた二人が去る雰囲気。
男性のほうがゴミを持ってクルマに戻る姿を見たそのとき、私たちは衝撃のシーンを目撃しました。
サムと女性、抱き合ってキスを交わしているじゃありませんか...
軽くハグして頬を合わせるような単なる挨拶じゃない。 しっかり抱き合ってちゅーっと口を吸い(以下略
いわゆる男女関係であることは疑いなしと思われました。
ひえええええホームレスに恋人かよ、てゆーか奥さん?! と混乱する観客席。
呆然として見ていると、名残惜しそうにクルマに乗り込む女性に対してサムは何か淡々とした態度でさっさと定位置に座り込みます。
・・・混乱した頭で素早く状況分析にかかる私。
さえた頭脳から次のようなリーズナブルなストーリーが湧きだしてきました。
サムはイラクかアフガン戦争に従軍した兵士だったが、戦場で心に大きな傷を負い、帰国後に除隊。 もしかすると体も重傷を負って長期治療した。
恋人もしくは妻 (以下ルーシーと呼ぶ) が待つ家に戻りはしたが、心の傷が原因で社会復帰して働けないだけでなく、家庭生活も営めない状態におちいり、ルーシーとその兄の制止をふりきってホームレスに。
みずからの心の奥底をのぞきこむため、そして生活費をかせぐため、サムは街角でギターをつまびき自作の歌をつぶやくように歌う...
新しい歌のアイデアを深めるためには心が落ち着く場所が必要。 たまたま見つけて気に入ったのが駐車場の片隅の芝生。 静かに座って思索を深める樹の下は、サムにとってかけがえのない場所になった。
新しい歌のアイデアを深めるためには心が落ち着く場所が必要。 たまたま見つけて気に入ったのが駐車場の片隅の芝生。 静かに座って思索を深める樹の下は、サムにとってかけがえのない場所になった。
社会復帰はしたい。 だがそのきっかけをつかむまでにはどうしても時間がかかる...
ルーシーとその兄は、サムの健康を気遣い、うるさがられない範囲でサポートしている。 たまの 「ピザ・パーティー」 はその一例。
という「サムのストーリー」。
これをかみさんに堂々と発表したものの、そりゃ美しすぎねーかという顔で反応はまあ微妙でしたね。
だけど、サムのギターケースはどこに保管されているのかとか、ミリタリールックといっても色違いのやつを頻繁にチェンジしていてしかもけっこう清潔に見えるのはなぜかとか、いくつかの疑問に答えるためにはルーシーのサポート説が正解だと思われたし、とにかくサムのストーリーは現代アメリカっぽくて気に入っていたのですよ。
さて、季節は冬へと移り変わり、ワシントンDCエリアは気温がマイナス十数度まで下がるわ雪はけっこう降るわで、ホームレス暮らしの厳しさは洒落になりません。 普通にしていたら死にます。
サムはどうしていたのでしょうか。
サムはどうしていたのでしょうか。
芝生が雪をかぶった頃、彼はぷっつりと姿を見せなくなりました。
シェルターにでも避難しているのか、 それともどこかでヤバイことになってはいないか...
と心配しながらも、いやいやサムって結構ちゃっかり屋さんでさ、ルーシー宅でぬくぬくしてるかもよ、季節限定の なんちゃってホームレス だったりしてねーとブラックな推測をする私たちけっこう人が悪い...
シェルターにでも避難しているのか、 それともどこかでヤバイことになってはいないか...
と心配しながらも、いやいやサムって結構ちゃっかり屋さんでさ、ルーシー宅でぬくぬくしてるかもよ、季節限定の なんちゃってホームレス だったりしてねーとブラックな推測をする私たちけっこう人が悪い...
まあそうはいってもですね、美しいストーリーを考えた私も、ちょっと懐疑的なかみさんも、
サムはそれなりによんどころない事情でホームレスになり健気に生きている
という見方が基本でした。
なので、心配していたサムが天気のよい日に突然姿をあらわし、雪の間から顔をのぞかせた石にポツネンと座っている姿を見かけると嬉しくなり、
「元気ー? 今日は晴れてるけど寒いっしょ?」 などと届かない声をかけては見守っていたのです。
なので、心配していたサムが天気のよい日に突然姿をあらわし、雪の間から顔をのぞかせた石にポツネンと座っている姿を見かけると嬉しくなり、
「元気ー? 今日は晴れてるけど寒いっしょ?」 などと届かない声をかけては見守っていたのです。
ただしサムを近くで見たことはまだ一度もなく、顔すらほとんど知らない相手でした。
わざわざ接近して観察するのは失礼だから論外だし、そもそもそういう野次馬根性的な興味はなかったし、サムの居場所は私たちの移動ルートから外れていたので、自然に出会うチャンスもありませんでした。
だから「美しいストーリー」は持続したのかも ...
物語の転換は、私たちがサムに出会ってから9カ月もたった今年7月に起こりました。
ああサム、お前ってやつは...
ああサム、お前ってやつは...
その結末についてはまた近日。
8/2のトレード結果です。
EUR/USD
200SMA: 下降
フェーズ: 下降フェニックス (買いNG)
損 益: なし
マイルールでは買い禁止。 エントリーした場合、ストップアウトしました。
GBP/USD
200SMA: 下降
フェーズ: 下降フラッグスタッフ
損 益: なし
マイルールが、▲60pipの負けを防いでくれました。 しめしめ。
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