うちのかみさんがある男性への思いを変転させるものがたり。
あ、色っぽい部分ゼロですので。
現在のアパートに引っ越してきたのは去年の秋。
アメリカではアパートと呼ばれますが、18階建ての大きなマンションです。 といってもうちは家賃の安い下層階でありまして、たいして景色を楽しめるわけでもありません。
(下層階ってイヤな言葉ですね。 下層界 みたいで...)
4階のうちの窓からは、隣のファーストフードの店と駐車場がよく見えます。
駐車場の隅には大きな樹が何本か立っている緑地帯があります。 芝生が気持ち良さそうな一角です。
引越して間もなく、樹の下にいつも座りこんでいる一人の男に気付きました。 毎日ではありませんが、すくなくとも週に4~5日は姿を見せます。
長身やせ型の白人。 迷彩柄のミリタリールックを着て、樹の根元のひとかかえほどある石に腰をおろしています。
アパート側からの視線を気にしてか、いつもこちら側に背を向けて座っているので、顔つきや年齢などの詳細をうかがい知ることができません。
ですが、こけた頬に無精ひげ、茶色のキャップの下から短くポニーテールにした髪といったあたりは見て取ることができます。
なんとなく30代くらいかなという印象はありました。 が、この予断は後に裏切られることになります。
彼はこの場所に、あるときは午前中に、あるときは午後遅くに現れます。 そして時おりタバコをふかすほかは何をするわけでもなく、ただ時間をすごしているだけ。
「まあ、こりゃホームレスだわな」
わが家ではそう認定したわけですが、この男、独特のキャラクターを感じさせるというか、なにやらナゾめかしい雰囲気の持ち主でした。
普通のホームレスだったら、だらしなく何かに寄りかかって座っているか寝転がっているのが定番スタイル。 しかし彼は違います。
膝をそろえた体育座りのような姿勢。 樹にもたれることはなく、ピンと背を伸ばしています。
その姿勢でタバコをふかす後ろ姿というのは、なんだか哲学的な容貌を帯びてくるというか、ちょっと目を引く存在でした。
そして、彼が姿を見せるのは昼間だけ。 暗くなってから見かけたことはありますが、夜中にいたことはありません。 どこかにねぐらがあるのでしょう。
ということは、彼はここへ出勤してくるホームレスということになるのですが、お金を恵んでくれる通行人がいるわけでなし、ファーストフード店の廃棄食品をもらっている様子もないので、ここへ来てすごす理由がわかりません。
もうひとつは彼の持ちもの。
大小のバッグのほか、ギターケースを持っています。 ストリートミュージシャン?
でもケースを開いたところを見たことがなかったので、中にギターが入っているかどうかもわかりません。
それと、日によってはギターケースがないときもあります。 あんなに大きなものを盗まれずに保管しておける場所があるの?
とまあこんなわけで、しばらく観察しているといろいろ不思議なところが見えてきました。
・・・そう、私たち夫婦はこのホームレスに強い興味を持ち、今日は来てるか、何をしているかと、一日に何度かは窓外に目をやるようになっていたのです。
実は私自身は、最初のころ彼にあまり興味がありませんでした。 よくいるホームレスのひとりだと思ってスルーしていたので。
しかしかみさんは違いました。
気の毒に思ってついつい目が行っていたようですが、もともと人間観察が細かいタチなので、前述した彼の特徴に次々に気付くこととなり、「なんでだろうね」と私に話しかけてくるようになったのです。
ここへ何しにきているのか。 どこで寝てるのか。 ギターケースの中身は何か...
この男、何者?
徐々にふくらむ興味。 そして私のなかで彼の「ストーリー」が出来上がりました。
【明日とは限らない次回に続く】
7/27のトレード結果です。
EUR/USD
200SMA: 上昇
フェーズ: 上昇フェニックス (売りNG)
損 益: なし
GBP/USD
200SMA: 上昇
フェーズ: 上昇フェニックス (売りNG)
損 益: なし
妻の失恋なんてタイトル、本人に怒られるかなー。 繰り返しますけどお色気系に走るストーリーではありませんので。 実話ですが。
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