2011年10月19日水曜日

気持ちはすごくわかるけど


文句言う相手を間違えてない?


と聞きたくなるのが、ウォールストリートで抗議活動をする人たち。

ぼろ儲けする金融証券業界を憎んでいるようだが、確かにこの不況の世にあって魔術のようにして巨利を得ながら 「俺たちゃアタマがいいんだからしょうがないじゃん」 とニヤニヤしているイメージがあって、あんまり味方する気分にならない。

まあそういう魔術は、資本主義の技術を磨きに磨いて開発したものだから、良い悪いではなく、当然の結果だとも言える。

つまりこれは自由経済が行きつく最終像。

だが、我々の 「小銭」 を預かる銀行が口座管理手数料だのデビットカード使用料だのをかすめ取るようになったくせに、銀行のお偉方が十億円、百億円のボーナスをもらっている。

こんな奇妙なことが許される社会はおかしい。

おかしいけれども、若者に職とお金がまわってこないのは、本当にあの連中のせいなんだろうか。

・・・と考えるわけです。


今の時代、先進国で失業率が高まり給与水準が下がる原因は、製造業が新興国に移転したからだという解釈が一般的です。

だから、先進国にはサービス業しか残らない (←四捨五入した言いかたです)

サービス業では製造業ほどには労働者の熟練や専門性が求められないため、給与水準は低く抑えられる。

なおかつサービス業界は不況に弱く、雇用規模がすぐに縮小する。

なおかつアメリカには驚くほどの低賃金を喜んで受け入れる (とくにメキシコ系) 移民が流入して労働力需要を満たしている。

これじゃ中間層以下のアメリカ人に職もお金もまわってこないわけです。


この状況をなんとかしようとオバマ大統領は、超大型の雇用対策法案を提出しましたが、共和党の抵抗にあって難航しています。

共和党は、こんな法案じゃ問題は解決しないと言って、ウォールストリートの若者を怒らせている。

しかし、共和党の言い分にも実は一理あって、今のアメリカ経済というのは政府の努力 (雇用政策や財政策) でどうにかなるもんじゃないところまで来ているようが気がするんです。

まあ彼らははっきりそうとは言っていませんが。

大袈裟かもしれないが今の世界経済の閉塞状況というのは、先進国がそろってぶち当たっている大きな壁、ひとつの時代の終わり を示しているんじゃないかと思っています。

だから、オバマ法案に難癖をつける共和党にだって、それならいけそうじゃんという対案を出すことができない。

つまり、いま政治にできることはあまりない(んじゃないか)。


多くのアメリカ人が怒っている理由には、3億人の国民資産の大部分をほんの一握りの金持ちが占めていることもあるでしょう。

富のかたより、格差の拡大です。

トレードをする人ならすぐにわかると思いますが、お金というやつはいったん貯まりだすと運用次第で加速度をつけて増えます。

そして 「運用」 の方法は、金融証券業界がいろんな魔術を考え出してくれるので、どんどん効率がアップしてお金持ちは笑いが止まりません。

だから格差の拡大というのは、自由経済が行きつく先だと思うのです。


日本でも似たような現象が起きています。

格差社会という言葉をマスコミが盛んに使うようになって数年がたちました。

多くの人が、格差社会は小泉改革のせいだと言ってきましたが、それはウソだと思います。

繰り返しますが、格差は自由経済の行きつく先だから。

日本は、戦後の高度経済成長によって  「一億総中流」 と呼ばれる経済的に平等な社会をつくりました。

でもその平等さというのは、人類史上きわめて例外的なケースであり、いろんな条件が重なりあって初めて成立する特殊事例だった。

特殊事例が長続きすればよかったのだが、経済のグローバル化という大きな流れのなかで、そういう 「日本方式」 が通用しない時代が来てしまった。

日本経済の生き残りをかけて古い仕組みを打ち壊したのが小泉改革だとすれば、いずれは訪れる格差社会を急速に引き寄せたということはあるでしょう。

どんなことでも急に起きてしまえば、社会はその対処が間に合わずに混乱します。

そういう不満に乗っかって 「犯人は小泉改革」 と叫んできた人たちがいる。

ひとつには、郵政族をはじめする旧来の利権に乗ってきた与党内のアンチ小泉勢力。

そして野党、マスコミ。 

いずれもわかりやすい 「敵」 をつくることで勢力を伸ばし、記事を売ることができるから。

まあそれはいい。 皆さん商売だから。

しかし彼らは、格差がなぜ生まれるのかについて真剣に考えたことがあるだろうかと思うわけです。

格差のない日本というものがどれほど稀有な存在であったか、

長い人類史のなかで たった一億人がたった半世紀のあいだ 手に入れたひとときの夢のようなものであったか、

だからそこに永続性を求めても無理がある、

そんなふうに考えてみたことはあるだろうか。


なにごとも、悪者を仕立てて怒りをぶつけるのは一番簡単なことです。

金持ちからもっと税金を取るのもいいでしょう。 でも、それだけで解決するほど小さな問題じゃない。

大衆がそういう見当違いをしているうちに、特権をにぎった連中はどんどん肥え太るというのは、よくある現象です。

「ウォールストリートは人類の敵」
だったら話は簡単なんだが...
いまウォールストリートに集まっている人たちの気持ちに、私は強く同意します。

彼らが怒る相手を間違えていようがなんだろうが、ほかに何ができるでしょう。

彼らの声を誰に聞かせれば、世の中がよくなるのか?

今のところ思いつくのは神様くらいしかありません。


とりあえず私が考えられるのは、自分自身のサバイバルについてくらいのもの。

厳しい時代になったものです。



10/19のトレード結果です。 


EUR/USD
 
200SMA: 上昇
フェーズ: 上昇フェニックス
損  益: 40pip

これまでマイルールでは、このチャートパターンでの売りを禁止していましたが、今日はエントリーしました。 日足ピボット(PP)に届いて40pip獲得。

ユーロドルのルールを見なおした結果を昨夜まとめたのですが、そのなかにこのパターンが含まれていたので。 改訂ルールは近々アップします。



実は、一緒にアップするつもりのポンドドルのルール変更がまだなのでグズグズしていました。

そっちはちょっと難物なので、迷っているところです。

EUR/USDの成績表はこちら (常に最新のものにアップデートされています)



GBP/USD

200SMA: 上昇
フェーズ: 上昇フェニックス
損  益: なし
 
マイルールでは買い禁止。 基本ルールでエントリーした場合、ストップアウトしました。
 
臨時ルールでも、ストキャスが75以上だったのでエントリー禁止です。
 

GBP/USDの成績表はこちら (常に最新のものにアップデートされています)



【以下のトレードをしている理由は こちら をどうぞ】
 
 
EUR/JPY

200SMA: 上昇
フェーズ: 上昇フェニックス
損  益: 41pip
 
ショートしましたが、心配したとおり800SMAで撥ね返されています。 
 
元の利益ターゲットはかなり遠かったのですが、新しいピボットが出現して、こちらは40pip程度と現実的。 そこで半分利確するのかどうするのか悩んでいます。

【追記 結局新しいターゲットで利確しました。 今NY時間で90pipの大物を狙うのは難しいですよね。


 
EUR/JPYの成績表はこちら (常に最新のものにアップデートされています)
 
 

GBP/JPY

200SMA: 下降
フェーズ: 上昇フェニックス
損  益: ▲30pip
 
きれいなブレークでしたが、反転ストップアウトしました。
 
ポンドドルとほとんど同一のチャートになっており、ポンドドルはエントリー禁止だったので嫌な感じがしていたのですが、悪い予感が的中。 ストップアウトしました。


 
マイルールについて最近こんなことを言ったばかりなのに、こういう負け方をすると辛いです。
 
まだルールの煮詰めが甘いのかなあ ...
 
GBP/JPYの成績表はこちら (常に最新のものにアップデートされています)



こういうご時勢になってくると、 「だから資本主義はダメだと言ったじゃん」 という人たちが出てきて、ある者は社会主義的な主張、ある者は60年代ヒッピー風の素朴主義みたいなものを唱えだすんでしょうね。

それぞれの気持ちはよくわかるし、いろんなやり方のなかには必ず真実が含まれているんでしょうけど ...

資本主義にせよ民主主義にせよ、それが唯一正しい方法なんてことはあるわけもなく、今のところ他の方法よりはうまくいっているというだけのこと。

「この次」 に待っているものがあるとすれば、それはいったいどんな仕組みなんでしょうね。

まだまだしばらくは人間やめられないなあ ...
 
 
下のボタン、ポチしていただけると嬉しいです。 元気なブログの源泉です。

0 件のコメント:

コメントを投稿