2011年12月5日月曜日

勝ち方メモ⑤ 爆上げにビビるな


より多くの利益を得るためのポイントを考えるシリーズ。

(①はこちら、②はこちら、③はこちら、④はこちらです)



こんな悩みは私だけでしょうか?

すごく強いローソクでブレークしたとき、ちょっとビビってしまうんです。

たとえば雇用統計のときなど、全長50pip、70pipといった強いローソクが出現します。

「強いローソク=トレンドの意思がはっきり出ている」 と読むのが一般論。

でもNYボックスの場合、ストップを30pipに置くという基本ルールがちょっとしたネックになっています。

たとえば、ブレークしたローソクが70pip なんていうときは、ボラティリティが瞬間的に沸騰しているというか、いってみれば乱暴な相場。

エントリー直後に ドカン と逆行してあっさりストップアウトという経験ありませんか?

早いときはものの数分ですから、なんというかけっこうショックですよね。


では、ストップを40pip、50pip というふうに離せばいいのかといえば、それもあまりうまくいきません。

それほど系統だったバックテストはしていませんが、その戦略がうまくいかないだろうと思う理由は次のとおり。

1) ストップを離せば勝率は上がるかもしれないが、ポジションサイズを変えずにエントリーした場合、負けたときの損失が大きくなる。

2) ポジションサイズを縮小 (して損失額を資産の1%にキープ) する場合、勝ったときの利益が小さくなる。

このように、ストップを遠ざけた場合、勝率は上がるが利益は取れない 可能性が高まります。

大損はしないと思いますが、土壇場で気ぜわしく臨時のストップロスやポジションサイズを設定する大変さが報われる可能性も低いといえるでしょう。

割に合わない作業です。


そんな袋小路をうろうろした結果、

だったらストップ30pipでやるしかないじゃん

と思うに至った賢明な私ではありますが、どうもあの ドカン の衝撃が心に刻まれているせいで、怖いんですよエントリーが。

雇用統計や日銀介入などでチャートが爆上げしているのを目の当たりにすると、こんな時によたよたエントリーなんかしたもんなら、返す刀でばっさりやられるような気がして心臓バクバク。

理由不明で爆上げしているときも同じ。

とてもじゃないがルール通りにエントリーなんてできる心境じゃありません。

臆病者だからしょうがない。

臆病にくわえてズボラな私はこれについての対策をずっと怠ってきたんですが、最近になってようやく ドカン の実態について調べてみました。

例によって2011年1~10月のバックテスト結果ですが、データをExcel で管理するようになったおかげで、この種の計算が実に楽にできるようになりました。


調べたのは、マイルールによってエントリーしたうち、ローソクの全長が30pip以上 あったときの勝率。

(全長とはヒゲの先から先まで。 再ブレークを含む、エントリー直前のローソク)



まずはユーロドルのデータをご覧ください。

ローソクの長さ順に並べてあります。

10ヶ月間のエントリー37回で27勝しており、勝率は72.9%。

全体の勝率67%と比べて、強いローソクの場合はむしろ勝率がいい。

なーんだ、そうだったのね。

ドカン のトラウマのせいで私が 「負ける負けるオバケ」 にとりつかれていたことが判明!


ところで、ローソク全長 60pip以上 のときは2勝3敗、勝率40%まで下がります。

ローソクが強すぎると、ちょっとした逆行がストップロスの30pipにタッチしやすくなるからでしょう。

でも損益はプラス26pipですので、負けにはなっていません。


また、40pip未満 のローソクの場合は9勝6敗、勝率60%と、こちらも全体勝率67%に届きません。

ブレークする勢いが弱いぶん完全に折り返してしまう可能性が高いからでしょう。

それでも17回のトレードで198pip を獲得していますから、やっても損にならない確率が高いと思います。


ちょっと笑ってしまうのは、このデータを見るかぎり、40~60pipのローソクの時だけエントリーしたら16勝1敗、勝率94%と、神トレーダーの数字になります。

この程度のサンプル数でそこまで区分けして勝率にこだわっても意味ないと思いますし、どの長さの場合でも勝ててはいるわけですから、細かいことは言わずにどんとやればいいと思います。

爆上げ、爆下げにビビるな!

雇用統計、介入、ルールどおりにエントリー

ということになります。



続いてユーロ円のデータを見てみましょう。 

ユーロドルよりも更に成績がよく、31勝5敗、勝率86%をマークしています。

ローソク70pip以上のところでは負けが目立ちますが、獲得利益125pip ですから悪くありません。

特筆すべきは、この長いローソク (=30pip以上) からのエントリーで稼いだ利益は1,402pipと、トータル利益1,906pip のほぼ4分の3を占めていること。

トレード回数は全体の3分の1にすぎませんから、こいつらがどれほど効率よく稼いでいるかがわかります。

つまりユーロ円のNYボックストレードにおいては、 「爆上げ、爆下げは怖い」 どころか、むしろ
 
ここで稼がなきゃどこで勝つのよ  ということになる。

なので皆さん、ユーロ円のばあい、全長30pip以上のローソクでブレークしたときには、絶好のチャンス到来と考えて張りきってくださいね。




ただし以上のことは、ブレークした ローソクの長さ の話であって、ボックスからの距離 というのはまた別の話です。

つまり、エントリーチャンスが来た時点でボックスから170pip も離れていたら、その後の伸びしろがどれくらい期待できますかという問題。

好例が11月30日のユーロドルです。

最初の飛び出しは長ヒゲのためエントリー見送り。 その後に再ブレークしたローソク  は、全長48pip という立派なものでした。

ではエントリーすべきでしょうか?

問題は、この時点でボックス上辺から170pip も離れていることでした。

なので、その日の現実的な値幅としては 「十分来ちゃってる感じ」 というのが縦軸の判断になるでしょう。

横軸で見ても、介入だったら押し上げパワーが長時間続くことがありますが、この日の爆上げは主要国中銀がドル貸出金利を下げることにしたというニュースに反応しただけなので、いつまでもグイグイ押し上げることはないだろうと。

この日は 「170pipも離れたら、もうおしまい」 と判断して見送るのが正解でした。

なので、ブレークしたローソクの長さとボックスからの距離というのは、基本的には別問題として見る必要があると思います。

(逆に、介入のとき 「ローソク1本で100pip上げた」 なんていうケースでは飛び乗るのもアリということです)

いずれにしても、ボックスからの距離には注意! です。




以上、レベル低すぎの私の悩みと解決法でした。

その程度のことわかっとるわいという方にとっては時間の無駄だったことと思いますが、通貨ペアによって 「勝つメカニズム」 みたいなものが違うところが具体的に見えるのは面白いでしょう?


と押し売りが済んだところでシリーズの次回予告ですが ...


あれれ?

もうネタ切れとか言ってますよ。

「勝ち方メモ」 、何か思いついたときにまたやりまーす。



12/5のトレード結果です。 


EUR/USD

200SMA: 下降
フェーズ:  下降ツーソン (買いNG)
損  益:  ▲30pip

上へのブレーク は買い禁止のため見送り。 続いて下へブレーク  しましたが、時間ルールによりこちらも見送り。

再ブレーク  したところでエントリーしました。 結果はあらためて。

【追記】 いいところまで落ちかけてはいましたが、ターゲット(57pip) には届かずストップアウトしました。


EUR/USD 成績表



EUR/JPY

200SMA: 下降
フェーズ:  下降ユマ
損  益:  20pip

最初のブレーク  は時間ルールによりエントリー見送り。

再ブレーク  でエントリーしました (このローソクはデータ抜けのために短くなっていますが、GFTではもう少し下に長く、以前のヒゲを下回っています)。 結果はあらためて。

【追記】 当初のターゲット (=前週の週足ピボット) はもっと低いところにあったのですが、新規に発生した日足ピボットに変更。 最短のターゲットでしたが当たりました。



EUR/JPY 成績表



爆上げにビビるのでなく、爆音にビビることなくアクセルを踏み続けたおじさんたち。

フェラーリ集団事故のニュースは、アメリカのテレビでもやってますよ。

まあ高級車があれだけ一度にお釈迦になることって、アラブ産油国へ行ったってないことですから。

キャスターたちの短い受けコメントからは、

1) 日本人はおとなしくて常識的だと思ってたけどそういう人種もいるのね

2) 世界的な不況だけど豪快に遊んでるのね

みたいなニュアンスを感じましたが、そこはアメリカ人のこと、金持ちへの嫌味を言うようなことはなく、大らかにウケている様子だったので、なんとなくほっとして見ていました。

なんで俺がほっとするねん。

日本ではワイドショー的においしいネタなので、ひととおりほじくり返したところでしょうか。

結構な道楽ですこと、ってのと

レースやるなら迷惑かからない場所で、っていう定型句をたれ流すコメンテーターが目に浮かぶなあ ...

ワイドショーに限らずこの手のつまらない発言を耳にいれなくても済むことが、外国にいる利点のひとつかもしれません。

個人的には妬みでグニュグニュ言うやつと、わかりきってるお利口さんを言うやつが一番苦手なんだが、けっこう多いんだな日本には ...

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