2011年12月28日水曜日

アメリカの忘年会日本と違いすぎワロタ 【その2】

 
「アメリカの頭脳」 といえるほどの人材を擁するある会社のクリスマスパーティー兼忘年会。
 
これがアメリカンスタイルやなという 盛り上がりぶり を目撃したんですが、私が本気でびっくりしたのは別の部分。


それは社長でした。


開会前にさかのぼりましょう。 私たち夫婦は少し早めに到着し、地下の会場までエレベーターで下りました。

エレベーターのドアが開いた瞬間、手を差し伸べてきたのはへんてこりんなサンタ帽をかぶったおじさんでした。
 
おじさんは両手で妻の手を包み込むような握手をしながら、よく来てくれましたね待ってましたよ!と親しげに語りかけてきます。
 
かみさんはとっさにこの会社のどのような関係者であるかについて自己紹介をし、付属品の私のことも紹介しました。
 
するとサンタ帽おじさんは熱心な握手を求めながら私の名前の発音を確かめると、今日はあなた方に会えてうれしい、ぜひパーティーを楽しんでいってくれと語りかけてきます。
 
はい。 このひとが社長さんです。
 
まるで総務課の若いモンのようにエレベーター前で待機し、ひとりひとりを熱烈歓迎する社長って、私はそういうのを見たことがなかったのでびっくり。
 
しかも、こっちは社長の顔と名前がわかりますが、むこうはこっちを知らない。
 
それでも、かみさんの自己紹介に即座に反応して、あの部署は最近忙しかったからあなたも大変でしたね? みたいな挨拶を返してくる。
 
社員だろうが外部の人間だろうがわけへだてなく接する社長の 腰の低さ
 
なんでこんなに頑張るんでしょう?
 
 
ところで社長のサンタ帽というのがなかなかのものでして。
 
"60代の白人男性" 
を想像すべし
モフモフの白い鉢巻のようなものから赤いコイルがビヨヨーンと飛び出し、その先に毛玉がついています。
 
可愛いといえば可愛いが、おやじがかぶるとトホホになりがちな危ないライン。
 
でも楽しさを演出するもてなしの気持ちはよく伝わってきます。
 
ビヨヨーン帽子の社長、参加者がそろってくると会場にも顔を出し、さかんに声をかけています。
 
社員の奥さんと思われる人たちにもどんどんファーストネームで呼びかけ、親しげに話こんでいます。
 
このひといったい何人の顔と名前が頭に入っているの?
 
と思ったとき、社長はすでに私たちの名前も記憶していて、次に話すときは名前で呼んでくるだろうと想像されました。
 
恐るべし、その 頭脳と集中力
 
なんでこんなに頑張るの?
 
 
この社長さんどんな人かというと、前職はブッシュ政権下で副大臣を務めたそうで、いってみればすごくエライヒト。
 
エライヒトが重々しくふるまうのは世の常というか、少なくとも日本だったらそうですよね。
 
パーティに社長が出てきたら、重々しくちょっと遅れて会場入りし、重々しく壇上にのぼり、重々しくつまらない挨拶をしてくれます。
 
ところが、この元副大臣社長ときたらパーティーの途中、総務課長によるもったいつけた紹介もなくヒョイとマイクを握って会場の中ほどに立つや、1分半ほどの軽妙なトーク。
 
今年は景気が悪くてたいへんだったけど若手社員についてはちょっとベースアップできたので、ささやかなクリスマスプレゼントになったかなー、今日はたっぷり楽しんでってねーみたいな挨拶かまして終わり。
 
お立ち台もなく、人垣のむこうにビヨヨーン帽の先っちょだけが見えていました。
 
重々しいエライヒトではなく、身近なおじさんであろうとする明確な意図が感じられます。
 


アメリカの社長像の平均というか一般的な姿を知らないので、今回の社長さんが普通なのか特別なのかはわかりません。
 
でも、ここまでやる人は日本にはいないだろうと思った次第。
 
そりゃ従業員8人とかの家族的な会社でシャチョーが地のキャラ丸出しなんてのはいくらでもあるでしょう。
 
今回のケースは、アメリカでも有数の頭脳集団うんぬんの連邦政府ともある種対等に付き合うようなハイレベルな組織。
 
そこのトップがビヨヨーン帽でエレベータ前にスタンバイってのを、単なる地のキャラやおっちょこちょいでやっているとは思えない。
 
なんであんたはこうなの? と社長にインタビューすることができなかったので理由は不明ですが、とにかく頭の使い方も気持ちの使い方も、ついでに体力もかなりタフじゃないと務まらない仕事だなと思いました。
 
なにしろ社長さん、私たちが会場にいた3時間、いささかも休むことなく立ちっぱなし歩きっぱなしでゲストの相手をしていましたから。
 
こっちは途中でおいとましましたが、予定は4時間だったので、きっと最後までやり抜いたんだと思います。
 
恐るべし、そのエネルギー
 
なんでこんなに頑張るの?
 
 
この社長の姿を見ていて思い出したのが、「世界最高のホテル プラザでの10年間」 という本でした。
 
NYの高級ホテルでマネージャーを務めた日本人が書いたこの本には、アメリカの管理職の辛さが記されています。
 
客室や厨房で働く人たち相手に、パーティーのときのもてなしはもちろん、普段でもけっこう機嫌をとるような言動をするといいます。
 
アメリカの労働者は職場で気に食わないことがあるとプイっと辞めていってしまうが、会社側としてはそのたび新人に現場のスキルを身につけさせることがけっこうなロスになっている。
 
それを防ぐために管理職がイロイロ気をつかって会社につなぎとめているというわけ。
 
だからパーティーに来てくれた社員の奥さんの名前がすぐに言えることはもちろん、
 
おやおやジェニファー久しぶりだねえ元気だったかい?先月はすごい風邪をひいたと聞いてたけどどうなの?ああそれはよかったね、ところで上の息子さんは今年中学校に入ったけど、希望どおりバスケットチームに入れたの?
 
みたいな会話でガンガンもてなし、家族の心をつかむべく頑張るというんです。
 
職場にちょっと不満があったり他社の給料がちょっと高いというだけでパッパと転職するアメリカ。
 
労働者と会社が むきだしの利害関係 で向き合うこの社会では、間に立つ管理職が体を張って接着剤や潤滑油の働きをしているということですね。
 
ほとほとくたびれる仕事だわなあ ...
 


そんなアメリカン管理職の姿がオーバーラップして見えたサンタ帽社長。
 
この会社のエリートさんたちとホテルの労働者とはいろんな意味で違うんでしょうけど、やっぱりこっちの社長も似たような動機で奮闘していたのか?
 
それとも単にアメリカ人の楽しみ上手なところが出ていただけなのか?
 
いずれにせよ、ご老体の体を張ったもてなしぶりに敬服しつつ、日本人の私にとってはナゾが深まるばかりの夜でした。




12/28のトレード結果です。
  
 
EUR/USD
 
200SMA: 下降
フェーズ:  下降ツーソン
損  益:  20pip
 
今日も死んだふりで横ばいを続けるのかと思ったら、突然の大ブレーク。 150pipを越える場外ホームランでしたね。

でもNYボックスでは、ターゲットとなるピボットがなかったので20pipしか取れませんでした。


 
EUR/USD 成績表
 
 
 
EUR/JPY
 
200SMA: 下降
フェーズ:  下降フラッグスタッフ
損  益:  20pip
 
こちらもブレーク後は70pip下落しましたが、ピボットがなく20pip止まりでした。


 
EUR/JPY 成績表



いま、日本の忘年会というか宴会のことを思い出しています。

酒を注いで回る、ってのがあるじゃないですか。

私は自分のペースで飲むのが好きな身勝手野郎で、人から注がれるのが嫌いでした。

上品に勧めてくれる人ばかりならいいが、オレが注いでやるんだからコップ空けろみたいな押しつけがましい奴が心底うっとおしかったから。

そういう習慣は世界のあちこちにあって、韓国でも注がれた酒は一気に飲む伝統があるし、ロシアのウォッカ一気大会も有名ですが、少なくともアメリカの都会ではそういうのがないので気楽だなあ。

ではアメリカ人は誰でも心の底から気楽にパーティーやってるのかというと、サンタ帽の社長のように顔ではニコニコしながら精神修養かいっちゅうほどのがんばりをしている人もいる。

いやはやオトナの世界ってどこでも大変なんですねぇ。

酒を注がれるのが嫌なぶん自分でも注ぎに行かなかったわが身を振り返りつつ、良く考えてみると誰よりもお気楽に過ごしていたのはオレだったのかと今さらながらに驚いていることろです。

宴会ってけっこう人々の個性がむきだしになるから、人間ウォッチングの場だと思えばそれはそれでオモロイですよね。


皆さん、もう忘年会は済んじゃいましたかー?


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