2011年12月6日火曜日

感謝祭にドツキまわされた男

  
これもリアルなアメリカか、とびっくりした話。
 
 
アメリカ大統領が感謝祭 (11月第4木曜日) に行う恒例のスピーチってのがあるんですわ。
 
スピーチには、感謝祭とあって 「神」 という言葉が入っているのが通常の流れなんだとか。
 
大統領就任式では聖書に手を置き、神の前で宣誓するほどの宗教的なお国がらですから、大統領が感謝祭の日に 「神」 を語ることはごく自然。
 
今年、オバマさんがちょっと異例 (?) だったのは、正式なスピーチのあと 「ネット版」 とも呼ぶべき短時間のスピーチを You Tube にアップしたこと。
 
3分ほどなので私も見てみたところ、いろいろ大変な時代だけど皆で協力しあって切り抜けて行こうねという内容。
 
で、このバージョンには 「神」 という言葉が入ってなかった。
 
神の恵みがどうのこうのという格調の高さではなく、もっと地面に近いところで現実を語り、国民を励ますことがねらいに見えました。 
 
ところが、この 「神なしスピーチ」 に猛烈とかみついたテレビ局があった。
 
バリバリの共和党派 (オバマさんは民主党) で知られる FOX テレビ。 
 
視聴者にはアメリカでも敬虔なクリスチャンが多く、例えば妊娠中絶には絶対反対という人たち、なかには学校で進化論を教えることは神への冒涜だから止めろと主張する過激派も含まれています。
 
こういう人たちから 「正しいことを言う唯一のテレビ局」 として支持される FOX が 「神なしスピーチ」 にかみついたわけですが、それだけなら私も驚かない。
 
民主党政権のやることに一から十まで難癖をつけるのが普段の FOX の仕事なので。
 
すごいのは、 「神なしスピーチ」 を叩く番組が 14時間 におよんだこと。
 
残念ながら私には見るチャンスがありませんでしたが、いったい何を14時間もしゃべっていたんだか ...
 
感謝祭の日に神を無視するとは悪魔に魂を売ったのかゴルァとか?
 
まあ視聴者の側にはマジでそう思っている人が大勢いただだろうけど、FOX の人はどう思ってたんでしょうね。
 
14時間にわたって誰かを罵倒するというのは、普通の人間だったら精神的にかなりタフな仕事です。
 
強い強い宗教心に突き動かされているんだったらわかりますが、 「正気」 でやったのなら正気を疑うような状況 ...
 
 
というのはまあ冗談ですが、FOX がいってみれば半狂乱でそんなことをやる理由はやっぱり大統領選挙ですわな。
 
選挙に向けてオバマを蹴散らすべき共和党候補がいずれもパッとしないことに、FOX はかなり苛立っているはず。
 
一時は人気トップに躍り出たケイン候補はセクハラ&愛人問題の連打を浴びてノックアウト。
 
ケインがコケたことで消去法的に浮上しているのがギングリッチ候補ですが、かみさんの観察によると、ここまでの流れを見るかぎりでは打倒オバマを果たせるほどの人物的・政策的魅力に欠けるとのこと。
 
一方でオバマさんのほうは、政治の力なんかじゃどうにもならないような経済のどん詰まりで結果を出せずにいますから、こりゃほとんど自滅コースといってもいいほどの状態。
 
それを一気に土俵から突き落とす候補がいないんですから、共和党もしんどいですわ。
 
それだったら FOX が土俵下からエイヤッと手を伸ばし、オバマの足をひっぱって ...
 
延々14時間の必死なお仕事ぶりの理由はこれだったんでしょうね。
 
選挙が近づくといろんなものが過熱するので面白いです。
 
個人的には、神さまが八百萬人もいる大安売りの国から来た身として、God でこれだけ盛り上がれる国はすごいぞと、やっぱりそっちに感動しているところです。
 
 
 
12/6のトレード結果です。
 
  
EUR/USD
 
200SMA: 下降
フェーズ:  下降ツーソン
損  益:  なし
 
エントリーチャンスがありませんでした。


 
EUR/USD 成績表
 
 
 
EUR/JPY
 
200SMA: 下降
フェーズ:  下降ツーソン (買いNG)
損  益:  なし
 
上へのブレーク がありましたが、マイルールによりエントリーしませんでした。


 
EUR/JPY 成績表



さっきの話ですけど、ふと思ったことがありまして、

FOX テレビは本気で共和党に政権をとらせたいと思っているのかと。

だって民主党が政権とっているからこそ過激な政府批判で視聴者をひきつけられるわけで、つまりそのほうがビジネスになるんじゃないか。

現に今のFOX は、オバマのやることなすことにケチをつけ、細かい揚げ足をとり、思いつく限りの嫌味をならべてて、報道機関としてブッシュ時代には考えられなかった過激な偏向ぶり。

民主党嫌いの視聴者はさぞかし胸のすく思いをしてるだろうし、これでどれだけ客を集めているかわからない。

でも共和党が政権とったら、この芸風というかビジネススキームは成立しなくなる。

私が経営者だったらそこをどう考えるか ...?

というイジワル目線で過熱する選挙報道を見るのが、数少ない私の娯楽のひとつです。


てなことを言っていると、基本あなたは民主党支持者なの? と聞かれそうですが、そうでもないところが難しいところ。

けっこう共和党の考え方に共鳴するところもあるんです。

というか、アメリカの アメリカらしさ ってのは共和党の理念のなかにこそある、と思っています。

日本は思いっきり没落する可能性があるが、アメリカは違うと思う理由がそこにあります。

そのあたりについてはまたいずれ。

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