これを言うとカッとなる人が多いかもしれないネタですけど、わたし的には面白かったので。
例の国際政治学者から先週末に伝わってきた情報。
この人は日米の現役政策担当者 (つまり政治家や官僚) とのパイプが極太というか、向こうから意見を聞きに来るような存在なので、あらゆる最新情報が入ってくるらしい。
その先生が言うことには、アメリカは日本のTPP参加については 「どうぞお好きに」 というスタンスなのだとか。
つまり、日本に 売りつけたいものは特にない ので引っ張り込む意思はない、日本が来たいのなら勝手にどうぞということ。
(もちろん完璧な一枚岩の政府なんてものはないので、別のことを言う高官もいるだろうけど)
日本での議論を見ていると、TPPについてはやたらにアメリカの陰謀論を叫ぶ人がいますが、先日もちらっと書いたように、今どきアメリカが日本から吸い取れるうまみなんてあったっけと首をひねっていたところでした。
それに、日本のTPP参加を 「強硬に求め」 ている人って誰? いつそんな話が出た? という疑問も。
なので、今回の話を聞いてすっきりしました。
アメリカがTPPに期待するのは、中国のわがままな経済行為をうまく抑制して、自由経済圏の秩序を維持すること。
そこへ日本が来ると農業分野で反自由化ぽい要求をしてくるのが面倒なので 来てくれないほうがいい という声もあるんだとか。
さらに言えば、中国問題以外でアメリカが狙っているのは東アジアの新興国にモノを売り込むことなので、その意味でも商売がたきの日本は邪魔。
これがTPPをめぐるアメリカの思惑だという。
一方、極東地域でのアメリカは、いろんな課題をかかえている。
普天間基地問題しかり、6カ国協議しかり、いずれも太平洋地域の安全保障にかかわる重要マター。
そっちを速やかに処理しなければいけない時に
GDPの0.36%を占めるにすぎないコメ問題が一番の火元になって野田政権を揺さぶる、
「TPPはアメリカの陰謀」 論が叫ばれて反米感情が高まる、
というのはアメリカとして歓迎しない。
そこでキャンベル国務次官補は、対日外交関係者に 「TPPのTの字も言うな」 と厳しく命じてきたといいます。
近ごろ話題だからというだけでうっかりTPPを口にすると、思ってもみないニュアンスで書きたててられて騒ぎになるから止めとけ。
だからルース駐日大使もキャンベルの言いつけをきいて、「T」 の字をまったく口にしていないようです。
以上が先生からの情報。
ところで、TPPアメリカ陰謀論を叫ぶ人は、彼らは日本をしゃぶりつくそうとしているとか、これで日本はおしまいだとか言っています。
だけど、アジアのパワーバランスにこれほど気を配り大金を使っているアメリカが日本を潰すとかいうのは完全な自己矛盾ですよね。
したたかなアメリカのことだから、時にはそれなりのパンチを日本に食らわせ、取るものは取る。
でも、日本がまともにコケたら一番困るのは彼らです。
日本のそういう存在価値 (というかアメリカから見れば利用価値) があるかぎり、殺すことはありえないでしょう。
価値あるかぎり、の話ですが。
そういう構図を最低限の前提としてものを見ないと、TPP問題にしても、ススキを見て怯え騒ぐことになる。
ススキはオバケじゃないということを 「キャンベルの命令」 のようなリアルな情報を通して確認できるのは面白い体験でした。
幽霊の正体見たり枯れ尾花
・・・まあ以上の話はですね、学者先生の話を信じればという前提ですので、そこはご理解いただけますよう。
世の中にはどこにオバケがいるかわからないですから。
10/31のトレード結果です。
介入でドル円が400pipも動いたあと何が起きるのかと思っていましたが、フリーズしちゃったドル円を尻目に、欧州通貨は 「うちらにはうちらの事情がおましてな」 という感じでサクサク動いていた。
その動きをちょこっとすくいとることができてよかったです。
EUR/USD
200SMA: 下降
フェーズ: 上昇フェニックス
損 益: 20pip
GBP/USD
200SMA: 上昇
フェーズ: 上昇フェニックス
GBP/JPY
200SMA: 上昇
フェーズ: 上昇フェニックス
損 益: なし
GBP/JPY 成績表
幽霊の正体見たり ...とは、土曜日に停電の恐怖に怯えた私にも微妙に当てはまる言葉で、蓋を開けて見ればなんのことはなく、雪も風もまあまあ穏やかに過ぎ去ってくれました。
でも同じ東海岸でもNYのほうは停電200万世帯と報じられているので、まあこっちは運がよかったと胸をなでおろしているところ。
そういえば、アメリカのTPP交渉責任者が 「日本は参加の決断をしてから交渉に来い」 と言ったのに対して、またオバケだオバケだと騒いでいる人もいるようですね。
幽霊の正体見たり ...とは、土曜日に停電の恐怖に怯えた私にも微妙に当てはまる言葉で、蓋を開けて見ればなんのことはなく、雪も風もまあまあ穏やかに過ぎ去ってくれました。
でも同じ東海岸でもNYのほうは停電200万世帯と報じられているので、まあこっちは運がよかったと胸をなでおろしているところ。
そういえば、アメリカのTPP交渉責任者が 「日本は参加の決断をしてから交渉に来い」 と言ったのに対して、またオバケだオバケだと騒いでいる人もいるようですね。
アメリカ陰謀論が頭にある人は、
そら見たことか、無理やり引っ張りこもうとしてる じゃねえかという反応になっているようですが、それはまったくの見当違いでしょう。
これは単に、ムダになるかもしれない交渉をやりにこられるのは迷惑という意味に素直に解釈するところかと ...
なぜって、すでに始まっている各国間交渉はけっこう大変な作業になっていて、分野によっては当初目標からかなり遅れているという背景がある。
だからこれ以上足をひっぱるのはめてちょうだいねと。
どんな枠組みの交渉だって、そこに真剣に加わろうと思っていない中途半端な人が入ってきたら、そりゃ迷惑にきまってます。 結果的な離脱はしかたないにしても。
なので、今回は言葉どおりに素直にとっておき、アメリカのことはちょっと忘れたうえで、TPPについて冷静に考えるのが得策では ...
「日本は歓迎しない」 というアメリカの意図を理解しているはずの野田政権が、なぜTPP参加を目指すのか?
その理由をちゃんと吟味するところから話が始まるんじゃないでしょうか。
私自身は、TPPが本当に日本のためになるのかどうか、まだよくわかっていません。
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